｢レパントの海戦｣(塩野七生)、書評
レパントの海戦は塩野七生さんの「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」に続く３部作の第３作。
破竹の勢いであったオスマン帝国の侵略を拒むため、結成された西欧連合艦隊によって、ついにトルコが敗北するレパントの海戦を描いた作品。
といっても、むしろ海戦というよりはそこに至るまでの政治を描いているとも言える作品である。
西欧連合艦隊という名前でも、その内情は必ずしも一枚岩ではなく、もしかしたら決戦そのものが出来ないくらいの問題を抱えていること、そして、その問題の中でそれぞれの国の思惑の交錯の様子や駆け引きの方にむしろ多くの紙面が割かれている。
レパントの海戦は歴史の中心舞台が地中海であった頃の最後の戦いであったということのようだ。
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レパントの海戦
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内容（「BOOK」データベースより）
西暦1571年、スペイン王フェリペ二世率いる西欧連合艦隊は、無敵トルコをついに破った。コンスタンティノープルの攻略から118年にして、トルコの地中海世界制覇の野望は潰えたのだ。しかし同時に、この戦いを契機に、海洋国家ヴェネツィアにも、歴史の主要舞台だった地中海にも、落日の陽が差し始めようとしていた―。文明の交代期に生きた男たちを壮大に描く三部作、ここに完結。
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