｢野菊の墓｣(伊藤左千夫)、書評
野菊の墓は、15歳の主人公、政夫と二つ年上の従姉、民子との淡く切ない恋物語だ。
最近読んだ藤原正彦さんの「数学者の休憩時間」に取り上げられていたので、読んでみた本である。
かなり有名なタイトルなので以前から読みたいと思っていた。
体面を重んじる悪しき田舎の風習。のために、好きあっている二人が結ばれない。
というストーリーは、悲恋ものに典型的なストーリーだけれど、だからこそ、この物語は、純粋に切なくて悲しい。
基本的にハッピーエンドの方が失恋ものよりもずっと好きなのだけれど、たまには、こういう切なさを感じるのも良いかもしれない。
なんにせよ、純粋なラブストーリーは、やはりいいものだ。と思う。
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野菊の墓
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出版社/著者からの内容紹介
世間態を気に病む親達のため従姉弟同士の恋は、民子の病死によって悲恋に終る。思い出のため墓辺に植えられた野菊の花…。歌人左千夫が憧憬の思いをこめた純愛物語。（上田三四二／土屋文明）
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