｢アクアリウム｣(篠田節子)、書評
アクアリウムは不思議な作品である。
主人公は公務員をしている地味でおとなしい人間、長谷川正人。
正人は、行方不明になったダイバー仲間の死をきっかけにある湖にもぐり、湖底にすむ水中生物と出会う。
水中生物は、女性として正人の前に現れ、言葉ではなくテレパシーによって、お互いに通信を行う。
そして、正人は湖のある地域の道路建設への反対運動にのめりこんでいく。
水中生物との交流やそこからの心理描写、より過激な行動に移っていく心理過程は、これまでの話に比べると、ちょっと話の展開に無理がある印象。
「贋作師」や「カノン」などの前の作品の方が個人的にはおもしろかった。
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アクアリウム
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内容（「BOOK」データベースより）
長谷川正人は遭難したダイビング仲間を探すため、奥多摩の地底湖に潜った。そこは水没した鐘乳洞で、中は迷路のようだった。自分の位置を見失ってしまった正人は死を覚悟するが、突如現れた「彼女」に導かれ、奇跡的に生還した。あれは幻覚だったのか?それとも―正人は「彼女」の姿を求めて再び水底へと向かう。だが、そこで見たものは…。新感覚のサスペンス・ファンタジー。
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