従来の創傷治癒をかなり否定し、新しい創傷の治療法を説いています。その論理はすばらしく、従来の治療が完膚無きまでに論破されています。著者の勇気と卓見に敬意をはらいたいと思います。医療関係者は一読すべき本でしょう。

今までは「傷の治療は、消毒をしてガーゼを当てる。」「消毒の時しみるのは、細菌が死んでいるから。」「傷は乾かせばよい。」など、古くからの伝承文化のごとく多くの医療従事者が盲目的に従ってきた。ガーゼをはがすとき表面から血が出るのはどうしてか考えなかったヒトは少ないと思う。しかしルーチンワークからは誰も逃れることは出来なかった。毎日、外来、病棟で痛がっている多くの人たちがこれで楽に早く治れば良いと祈ります。だんだんと消毒薬は初めから使わず、水道水のシャワーだけの病院も増えている。確かにその方が本人も周りもお気楽で早く治る。