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ピネル バイオサイコロジー―脳 心と行動の神経科学 ( ジョン ピネル John P.J. Pinel 佐藤 敬 泉井 亮 若林 孝一 飛鳥井 望 )

心理学の教科書として非常によく出来ている。否、教科書とは思えないほどで、つい終わりまで通読してしまった。特に心理学を専攻した学生が神経科学を学ぶには大変よい。本書の立場は、序文にある「神経科学はチームとして取り組むべき科学であり、そのなかでバイオサイコロジー研究者が独自に貢献できるのは、行動の専門家としてである」という言葉によく表れている。神経科学を学ぶ者がその基礎のひとつとしての心理学を理解するのにも貢献するであろう(ちなみに評者はこちら側)。各章や節の初めに症例や逸話を、それもしばしば患者本人の言葉で用いて導入とし、理解と興味、親しみを与えているのは心憎いばかりである。と同時に、心理学の通俗本にありがちな逸話だけで構成されているわけではない。分かっているものに関してはきちんとその構造的基盤や神経科学的根拠が、生理学や生化学、薬理学を含めて述べられている。現状ではまだ分からない点もその旨述べられているので、興味や研究意欲が掻き立てられること必至である<BR>日本の心理学は、臨床心理学流行りのためか、精神分析学の隆盛は収まる気配を見せないが、この本にはフロイトは2箇所でしか出てこない。コカインとニコチンの嗜癖者として、また、夢は抑圧された無意識の表出であるという夢解釈として。夢のフロイト説を著者は通俗心理学に残った遺物として切り捨てている。統合失調症にも、健忘にも、同性愛にも、自閉症にも、精神分析学は出てこない。必要ないのである。

とてもわかりやすい本。脳科学の本としては、非常にユニークな視点から書かれており、理系が苦手な人でも難無く読めるのではないかと。現在のバイオサイコロジーを紹介した本としては、日本ではこの本しかないのでは? 文字が小さい点が残念ですが価格が安いので我慢。

心理学に限らないことであるが、海外の大学用のテキストは、カラー写真満載で、量も多くて最新の話題まで取り上げていて非常によいものに仕上がっている場合が多い。この翻訳は、定評あるバイオサイコロジーのテキストを翻訳したものである。海外の大学用テキストの全訳は量的な問題や、カラー写真の問題から、引き受けてくれる出版社が少ないのだが、その点、よく翻訳したな~という感じである。内容はわかりやすく、図も興味深く、理解を助けるものになっている。バイオサイコロジーというのは日本の心理学科では、あまり講義分野にないが、「精神生理学」や「生理心理学」よりも神経科学よりの分野であり、人間の行動よりも構造のほうに重点が置かれている分野である。脳科学の発展に伴い、最先端の分野であるので、この分野に興味がある人にはとても役に立つ。説明が詳しいので、中学生くらいの理科の知識があれば十分読み進められる。

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