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見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行 ( 四方田 犬彦 )

パレスチナの状況については、興味を持っていたので一通り知っているものだと思っていたが、一読して持ちあわせていた知識の誤りと底の浅さに愕然とした。これは一体何なのだと背筋が寒くなった。もっともアメリカ寄りの報道で知りえることの限界がそこにはあるにせよ、こんな状況であるとは全く腹立たしい。一様にしたり顔の評論家たちや日本のジャーナリズムの怠慢を激しく罵りたい思いである。セルビアにしても同じこと。何から学べば良いのか、何を信じればよいのかという人の価値観を形成する情報ソースの選択と吟味を重要視しなければならない思いで一杯になる。<BR>これは大変貴重なルポルタージュである。感情を出来る限り排除しようとしている姿勢にも共感できる。それにしてもこの世界には、言いたくはないが、「絶望の連環」が厳然と横たわっている事実に慄然とする。<BR>こういったことをもっと勉強しなければ、知らず知らずのうちに他人の頭を殴りつけて全く気づきもせず、平気な顔をしている人間になってしまう。そんなことを強く意識させる本である。

「ユダヤ人一般など存在せず、誰もが細かな区分法により分類」<BR>「職業、食事作法、音楽、微妙な言葉遣いなどによって互に隔てられていた」<P>世界遺産に認定された白い街テルアビブ<BR>アシュケナジーム系の豪華なマンション群<BR>隣のミズラヒームの居住地は公園等で囲い込まれ遮断<BR>慎ましやかなイエメン系集落<BR>ある一角だけが妙に寂しい<BR>調べてみると、1948年までアラブ人の住居地区だった<BR>テルアビブは無人の砂漠に零から建設されたという神話も偽りだった<P>外国人労働者街<BR>皮肉にもシオニスト・ヘルツルが『古くて新しい国』で夢想した世界中の言語が<BR>語られるコスモポリタンな商業都市の姿に最も近しい<P>内通が発覚して私刑に処されたパレスチナ人は2000年に150~200人<BR>私刑による死者数はイスラエル軍による殺害者数を凌駕<P>内通者の中における女性の割合と意味<BR>イスラム社会における家父長制、名誉の殺人<BR>イスラエル側も女性を意図的に内通者のターゲットに<P>将来旧ユーゴ諸国全てがEUに加盟した時<BR>境界がもう一度廃棄されることになる<BR>「大きな犠牲を払って勝ち取った各共和国の境界線など何の意味もなくなる」<P>セルビア本国人と難民間の溝<P>コソボ紛争でのロマの悲劇<BR>「セルビア人とアルバニア人の双方から残虐行為に手を染めるよう強要され<BR>双方から軽蔑と憎悪を向けられた」<P>「民族と宗教の違いが戦争の原因となったのではない。戦争によって引き起こ<BR>された異常な状況が、エスニックな自己同一性を人々に準備させた<BR>敵との対立関係を通して新しいアイデンティティを与える。それが民族であり<BR>宗教であった」<P>「他者を暴力に満ちた野蛮と見立て、それを鏡像としてみずからの美化と神聖化<BR>へと向かう者達が、現実にはその場所に野蛮と暴力を導入」<P>ある犠牲者がかつて別の場所では加害者であったのであり<BR>ある加害者がかつて別の場所では犠牲者であったのだ

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