今日までの教育理論及び教育改革論は、すべて現実的な人間のあり方から出発しない、あるべきと空想する理想から全てを編み出す空想的人間を前提とした空想的改革論議でしかなかった。どれほどそれによって教育現場が破壊され、秩序を失い、人の社会として尤も危険な無秩序な、平和からほど遠い空間を形成してしまったことか。<P>　そして相変わらず空想的な万能の精神的能力を持つ教師像を前提とした教育論議のよって、どれほど一般的教員を精神的に追い込み、精神的な病を引き起こさせてしまっていることか、無責任な教育学者やマスコミその他の人々は猛省すべきである。<P>　無責任な理想的空理空論から脱却した、真の人間の実相に基づく教育理論を形成しようとする流れに、この本はある。現実に米国の教!はそれによって立ち直ったのであり、飾ることなくそれを正確に伝えている。　これを参考にせずには、何を参考にせよというのか。哀しいまでに、日本のこれまでの教育改革論議は、まったくこれとはほど遠いままであった。（最近の「ゆとり教育」批判などは、やっとでてきた健全な批判と論議である。）<P>　現場の「埼玉プロ教師会」の方々が主張しているのと同じ内容を、実際に国を挙げて実践し成功させている例として、また現在イギリスでも同様の制度を導入し、これによって教育現場の改善が進んでいるという他国にも影響を及ぼしている例として、この書籍の紹介している内容は全教育関係者の必読のものとして推薦したい。<BR>