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ドーキンス VS グールド ( キム・ステルレルニー 狩野 秀之 )

 名著「利己的な遺伝子」のドーキンスと、これまた名著の「ワンダフルライフ」のグルードの作者の論争内容をまとめた一般向けの書物です。<BR> この本はどちらかの主張に偏ることなく冷静に双方の違いを解説しています。<P> 私の理解では、「利己的な遺伝子」では遺伝子が自分が広く、長い間存在しつづけるために宿主(動物)の行動は遺伝子によって制御されている。という考えです。<BR> 例えば、ある動物が自分の子が危険にさらされているとき、助けて生き残れる可能性と、見殺しにしてその後、別に子供を産んで再び育て上げられる可能性と確率の高い方を選ぶはずだというのです(そういう行動をとらせる遺伝子が生き残る)。また「人間だけは理性により遺伝子の束縛を逃れることができる」というような内容のことを書いているのですが、ここを読み飛ばして「人間も遺伝子の奴隷なのだ!」とのたまうトンデモさんが世の中、多い気がします。<P> (本書には説明はありませんが)「ワンダフルライフ」は、カンブリア時代の(進化上の)大爆発直後の地層であるバージェス頁岩から出てきた大量と奇妙な動物たちを通じて、生物の多様性(異質性)は、カンブリア時代が最大で、その後の進化はマイナーチェンジに過ぎないといった説(断続平衡説)を展開しています。<P> ドーキンスは「動物の行動」を重要視しているのに対し、グルードは「体のデザイン」を重要視していると感じます。まぁ、詳しくは本書を見てみれば違いがよく分かります。いずれにしても二人ともふかーーーく考えているのが感じられます。<P> 最後に二人の大きな違いをもう一点。<BR> ドーキンスは無神論者で、科学原理主義者です。それに対しグルードは人間が生きていく上で、神を信じることを許容しています。「ワンダフルライフ」は映画「素晴らしき哉、人生!」からとったタイトルです(この映画、天使が出てくるそうです)。<P> 本書を読めば、「利己的な遺伝子」も「ワンダフルライフ」も両方等も読みたくなるはずです。是非お勧め!

 ドーキンスとグールドの互いの主張が共通する点・異なる点をコンパクトにまとめた小論であり、内容がわかりやすく文章も読みやすい。この二人の著書をあらかじめ読んでおけば、なお一層理解が深まるだろう。<BR> ときどきグールドを引き合いに出してダーウィニズムは間違っているなどと吹聴するトンデモ本があるが、この本を読めばドーキンスとグールドは進化の根本部分の理解に関してかなりの部分で共通していることがわかるだろう。

遺伝子や進化をめぐる思想対立は苛烈だ。変えることのできない「人間の本性」が前景に躍り出るからである。セックスとジェンダー、性格、才能、学力などの、遺伝的「決定論」は我々の心に重くのしかかる。現代生物学の成果が、そうした主張の背景になっている。本書は、遺伝子淘汰説のドーキンスと、古生物学に立脚する「断続平衡説」の提唱者グールドの、それぞれの進化観の違いを明快に整理する。<P>多数派であるドーキンス陣営にも弱点はある。それは、遺伝子が生物個体の形態、生理、行動などを一義的・因果的に決定するわけではなく、遺伝子と個体の表現型との間には「一定の規則的な対応関係」が想定されるが、遺伝子がどのように個体という「乗り物を操作する」のか、その正確な関係は分らないからである(p161)。一方、カンブリア紀の動物の大発生や、大量絶滅が小進化に優越して進化の方向を規定したとするグールド説も、雄大だが実証されていない面がある。<P>両者の説には共通の土俵も多く、一方が真というよりは、むしろ相補的だと著者は考える。三十億年前にはバクテリアという生物が地球を支配したが、今も事態は変わらないとグールドは言う。現在の地球の生命の主人公は人間ではなくバクテリアであり、バクテリアは海中や土壌にあまねく遍在して、他のすべての生態系の根幹をなす。「進化」というとつい最先端の新しいものに目が行くが、これは重要な指摘だ。

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