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世に棲む日日〈4〉 ( 司馬 遼太郎 )

 長州藩内の革命(勤皇派の勝利)を導いて後、今度は、幕府対長州の戦いに突入していきます。<BR> 元々攘夷の意思はもっていない高杉は、<BR>長州藩のなかで攘夷思想が沈静化するまでヨーロッパに逃亡しようと企てますが、<BR>失敗し国内を潜伏して歩きます。<BR> そして、こっそりと馬関にもどっていたところを、長州藩に請われて対幕戦の要職に。<BR> 活躍を見せますが、途中で不治の病を患い、たった28歳でこの世を去っていきます。<P>諸隊を使った、藩内の革命。<BR>英国との会盟のために長州代表として臨み外交の布石をうつ <BR>海軍総督として対幕戦の海上での奇襲<P>といったことを<BR>次々と駆け足のようにやり遂げていく晋作の様が、<BR>著者の簡潔な文章で描かれていて<BR>小気味良く読ませます。

1867年(慶応四年)享年27歳の高杉晋作が、絵馬堂を前にして<BR>功山寺で挙兵したとき、高杉晋作50人、伊藤博文30人。たったこれだけで幕府に第一次長州征伐で、恭順の意を示し屈服した長州藩本体3000の兵に向かっていった。伊藤が「この人と死ぬんだ」と思ったのも無理もない。高杉のすごさは、頭の回転と人望によって大逆転をしたことだ。絵馬堂を前に、悲壮さの中にすがすがしさがある。この天才を思うとき涙が止まらなかった。「面白きこともなき世を面白く」有名な辞世の句だが、冷めた目と人生や社会への達観は坂本竜馬と双璧だ。坂本も高杉も慶応四年に亡くなり、明治という年を見ることができなかった。維新の功労者でありながら不憫であると思った。伊藤博文が後年下関で、高杉の作った「どどいつ」を宴会で聞き、芸者に聞いたところ、作った人の名前を誰も知らない。伊藤は往時を思い(死ぬ事を覚悟し、必死で国事に奔走した当時の事を思い)ボロボロ泣き号泣始めるのである。私ももらい泣きしてしまった。大事をなした事を民衆に褒められる訳でもなく、自己の使命として人生を全うした高杉を思い、爵位、総理、官位を極めた伊藤が泣いた。もう兄と慕い命を預けた高杉晋作はもういない。吉田松陰の日本人の純粋な使命感に命をとした武士の姿を見る。それは西郷、大久保とも違う。坂本とも違う。<BR>高杉晋作がなければ今の日本はない。

幕末活劇絵巻の最終巻。完結編。高校生の時に初読して、中年になって再読。高杉晋作が長崎で坂本竜馬とニアミスしていたことを知って驚く。晋作にその気があったら、2人は会っていた。もし実現していたら、どんな出会いになっていたのか。2人はお互いをどう思ったのか。幕末の運命は、きわめて不思議なことに、表舞台の役目が終わると(その役目を果たさせてしまうと)さっさと彼等を天に召してしまう。竜馬も晋作もそうだ。28歳という年齢を超えた行動、運命、生涯。それを描いて司馬遼太郎の筆はあますところがない。

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