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新訳 君主論 ( ニッコロ マキアヴェリ Machiavelli 池田 廉 )

 中国や日本の古典は 経営者にもよく引用される。「孫子」「五輪書」「論語」「日暮硯」等 いくらでも例は挙げられる。西洋の古典は 余りビジネス雑誌に出てくる事も無い。その中で 本書は健闘している。<P> マキャべりというと 元来悪いイメージが付きまとってきたのも日本である。性悪説に基づいた冷徹な「嘘つき」というようなイメージかと思う。小生もご多分に漏れず そんな先入観で一読した。<P> とんでもない。マキャべりは「人間とはどういう動物か」を語っているに過ぎない。<P> 彼には「人間の善悪」というものは無い。善い悪いは抜きにして ただ 「人間とはそういうものだ」という彼なりの冷静な分析を披露しているに過ぎない。その意味では科学者が実験の結果を報告しているだけと同じだ。但し そこに分析されている人間の姿が 我々にとって 時には辛辣であることが 科学者マキャべり自身の評判を悪くしている。マキャベリにしたら迷惑な話だ。<P>「いかなる手段も 結果さえよければ必ず正当化される」<BR>「人は恐れている人より 愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つける」<BR> <BR> こんな言葉を否定することは難しい。吉田兼好が読んだら大声で笑って同意したに違い無い。<P> 「辛いのは中傷でなく真実である」とは 誰の言葉だったか忘れた。 マキャべりへの毀誉褒貶の原因は 彼の本に含まれている 苦い真実である。そんな「苦味」が美味しいのは 小生も中年だからだろうか。<BR> 

著者はイタリア・フィレンツェのニッコロ・マキアヴェリNiccolo Machiavelli(1469-1527)。時はルネッサンス、1513年頃の作とされる。「君主は民衆を味方につけなければならない」(第9章)など、味読、再読、再々読、……、に値する。原著はラテン語の著作と推測するが、本書の翻訳はこなれていて、きわめて読みやすい。<P>本書をご案内くださったK先生に感謝。

 確か「プレイボーイ」誌のインタビューか何かで、出所したばかりのマイク・タイソンが言っていた。おおざっぱな記憶によれば、ざっとこんな感じだ。<P>「刑務所では読み書きと数を数えることを学んだ。それまでは、自分のファイトマネーがいくらかすら、知らなかったんだ。読むことを学んで、マキャベリを読んだ。みんな、彼のことを昔のイタリアの学者かなんかだと思っているけど、彼は欲望とは何か、欲望に何が出来て、また何をしてしまうのか、について語ったんだ。だからこれは、おれたちの本だよ」<P> 「マキャベリズム」と呼ばれるものに由来する偏見に根ざした彼への悪評を払拭し、「真実のマキャベリ」を回復させようというのが、真面目なマキャベリ学者がずっと取り組んでいる仕事だが(そして名誉回復というのはいつも、面倒くさく時間ばかりがかかる仕事だとしても、大切な仕事ではあるのだが)、この字も読めなかったボクサーのようには、だれもこんなに正しくマキャベリを読んでこなかった。

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