近年、ローマ市の古代史跡に関するカラフルな図書がいくつも刊行されていますが、本書はその中では最も手際よくまとめられた好著と申せましょう。<P>　　　　タイトルが示すように古代ローマの史跡だけに焦点をしぼり、多数の図版で地域別に分かりやすく解説している点にも好感がもてます。ラテン語のみならず、現代イタリア語表記をも加えてあり、旅行者にとっても親切な本と言えましょう。<P>　とはいえ、ラテン語の母音の長短が全くといってよいくらい無視されている上、たまに音引が入っていても、間違っている（たとえば、「インペラートル」を「インペラトール」とするなど）といった欠点も見逃せません。<BR>　　よって４つ星に留めおきました。