阿片王 満州の夜と霧 みんなこんな本を読んできた 阿片王 満州の夜と霧
 
 
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阿片王 満州の夜と霧 ( 佐野 眞一 )

地道な取材活動から得た情報により、歴史の闇に葬られていた、幻の満州で蠢いていた人々が目の前に浮き上がるような内容でした。<BR>途方もない行いを成し遂げた里見甫という歴史には決して登場しない謎の人物に光をあてています。その人柄を炙り出し、また、周りに登場する多くの戦後の実力者と言われた人間の小ささを表し、日本の裏面史も描く手法は、読み手をも、同時代を彷徨う錯覚に陥るほどでした。<BR>本当に面白かったです。全く戦争を知らないバブル経験世代(1960年生まれ以降)で、興味ある方は、永野護氏「敗戦真相記」、保坂正康氏「あの戦争とは何だったのか」、青木冨貴子氏「731」を先に読まれますと、東京裁判、戦中戦後の歴史観の再考となり、さらに知的欲求が倍増すると思います。<BR>戦後から復興時に日本国を守ったと言われている白洲次郎のような「正統派」と間接的ながらも一瞬の交錯があったことを文章で読んだ時に、何ともいえない、苦いものを感じました。<BR>個人的には、白洲次郎氏に尊敬していましたが、読後、人間として、白洲氏より、里見氏に大きな魅力を感じたことは、間違いありません。

満州や上海の歴史を調べていると、どうしてもぶつかる点がある。<BR>甘粕正彦や特務機関などの資金源がそれである。<BR>たいていの資料には、その点について<BR>「阿片取引で調達していたらしい」などの表現でお茶を濁すことが多い。<BR>その歴史の暗闇に蠢いた一人の人物、<BR>阿片王と呼ばれた里見甫の足跡を追ったのが本書である。<P>登場する人物がこれまた強烈である。満州の二キ三スケ<BR>(東條英機・星野直樹・鮎川義介・岸信介・松岡洋右)<BR>は言うに及ばず、ラストエンペラー溥儀や李香蘭、<BR>満鉄調査部員や暗躍した大陸の特務機関員まで<BR>戦前大陸の主要人物が勢ぞろいの感がある。<P>本書を読んでも、阿片とその資金の流れの全容が判る訳ではない。<BR>戦後、里見はそれを人に語らず、墓場まで持っていってしまった。<BR>しかし著者が突き止めていった、里見周辺の史実だけでも<BR>震えがくるような驚きに満ちた傑作である。

ノンフィクション・ルポ・ライターとして超一級の作者が,昭和日本の国を挙げての阿片取引の実態に迫るべく,その中心人物,里見甫の生きた世界を丹念に追う。<BR>まさに足で書く著者佐野であるが,里見の世界はあまりにも広すぎた。追っても追ってもたどり着くところがない。里見遺児基金名簿を中心に,さまざまな人が,組織が,出来事が,断片的に次々に現れるものの,佐野をもってしても,それらの点が最後まで線になることはなかった。遂には梅村淳の「レズビアン関係」に憑かれるように,佐野の視点は彼方へと消えてしまう。<BR>本書は,里見遺児基金名簿から,日本の阿片貿易の全容に迫ろうとする労作ではあるものの,名簿を追いかけるばかりで,結局,阿片貿易とは,先の大戦とは,昭和とは,日本とは,など,語りたかったろうところに全く届かない1冊となってしまった。<BR>そんなわけで私は読前読中の興奮と,読後の虚脱感のギャップにマイってしまいました。

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