ローマ人の物語 (12) -迷走する帝国 みんなこんな本を読んできた ローマ人の物語 (12) -迷走する帝国
 
 
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ローマ人の物語 (12) -迷走する帝国 ( 塩野 七生 )

右肩下がりの時代の分析と描写がすばらしい。帝国の衰退を、支配者の個人的な能力に求めるのでなく、危機への対処方法が帝国の構造をいかに変化させ、その変化事態が衰退を加速させる要因となったことをしっかりと分析し、しかも活き活きと描写されています。一般的な民族や組織の衰退要因分析に展開することをせずに、あえてロ-マ帝国の衰退についてのみ記述されていますが、読む側が思索を巡らせることで、現実へのヒントを与えてくれる名著だと思います。

毎年、一冊づつ刊行される塩野さんのローマ人の物語もいよいよ12冊目、次第に(著者は15冊で終わりとおっしゃっています)終わりに近付いてきました。<BR>ローマ帝国の衰退していく様子を、現在までのさまざまな研究成果をもとに、著者独自の視点からメスを入れていく筆の冴えは変わらず、考えさせられることの多い本です。<P>今回の12巻では俗に云う「軍人皇帝時代」が取り上げられています。これまでこの時代のことを知ろうと思うとギボンの「ローマ帝国衰亡史」か、あとはいきなりモンタネッリの「ローマの歴史」くらいしかなかったから、この本はありがたいですね。何より、現在の日本の読者向けに書かれていますから。第一、モンタネッリの「ローマの歴史」だと、「迷走する帝国」で取り上げられている箇所って、9ページ分しかないし(笑)<P>今回の12巻では、紀元3世紀のほぼ100年間が取り上げられていますが、その間に即位した皇帝の多いこと、多いこと(爆笑)読み通すときに、人名が頭の中を出たり入ったりする感じです。それだけ、この時代のローマ帝国が危機に直面していたことがわかりますが…。これまでの巻に比べて、この人名の把握だけでも大変でした(笑)<P>でも、読み通してみて、(いつもながら)このローマの歴史から自分達日本人と、現在に生きている全ての人たちが学ぶことが多いことも実感できます。<P>政治とは?国際関係におけるバランスの取り方とは?人間社会における多様性の重要性とは?人間の本質とは?…等々、読む人の関心の持ち方次第で、さまざまなことが読み取れるでしょう。そして、今現在、指針を失ってしまって右往左往しているこの日本という国が、学び取れることも多いのでは??とも思いました。<P>ギボンの「ローマ帝国衰亡史」との併読は絶対におすすめ。また初期キリスト教についての各種の本と併せ読んでも面白いでしょう。

塩野さんの著作は、いつでも自分の思い入れをそのまま読者に訴えかけ、自分も気持ちよく読ませてもらってます。<P>ただ、今回は塩野さん自身のこの時代への思い入れが弱いせいかもしれませんが、カエサルを描いたⅣ・Ⅴ巻などと比較すると、文章の躍動感が今ひとつという感が否めません。(描かれている時代自体がそういう時代なのかもしれませんが・・・)<P>もし、今の日本の時代を後代の作家が文章にするとすれば、とてもつまらない内容になってしまう、ということを塩野さん自身が、この時代の描写を通じて読者に訴えかけたかったとすれば、それは成功しているのかもしれません。

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