水滸伝〈3〉輪舞の章 みんなこんな本を読んできた 水滸伝〈3〉輪舞の章
 
 
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水滸伝〈3〉輪舞の章 ( 北方 謙三 )

楊志の暖かい人柄が出ててこの巻が好きです。この後の巻の伏線となるエピソードが満載。いよいよ盛り上がります。

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水滸伝〈3〉輪舞の章まったく新しい「水滸伝」。そしてハードボイルドである。 <br>登場する好漢(水滸伝では主人公たちをこう称す)たちは泣き、悩み酒を飲む。同志となる人材を探して全国を旅する花和尚魯智深。山賊に両親を殺された児に己を重ねる青面獣楊志。山賊の棟梁となり己の力を過信する九紋竜史進。王進のもとで修行し、自分のなすべき道を探す武松。3巻でもこうした漢同士の熱い友情と対立、そして成長と苦悩の軌跡が随所で描かれている。原作ではあいまいで、馴染めなかった登場人物たちの行動と動機、そして感情がはっきりしている。 <br>また好漢のひとり慮俊義があやつる塩の密売のルートが重要な役割を果たしている。その経済力と組織力は好漢たちが集まりだした梁山泊の力の裏づけでもあり、物語をリアルにしている。 <br>梁山泊に対抗する官側の組織として青蓮寺なる秘密機関が登場する。彼らも国を愁ているが、梁山泊の好漢たちのように国を変えようとしていない。むしろ国を安定させようと努力し、苦悩する。青蓮寺は、梁山泊の山賊、各地で勃発する反乱、塩の密売のそれぞれが結びついているとにらむ。そして、その正体を暴こうと好漢たちの周囲に網を張り巡らせる。ハードボイルドでは悪役も魅力的で知的でなければならない。青蓮寺はその条件を十分に満たしている。 <br>この2大勢力の虚虚実実の駆け引きがこれからどうなるのか。全13巻予定のこの小説からこれからも目が離せない。(鏑木隆一郎)
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水滸伝〈3〉輪舞の章