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文庫版 塗仏の宴―宴の始末 ( 京極 夏彦 )

不気味さ怖さではシリーズ中群を抜いているかと思いますが、結末に到っては若干不満も有りこの評価。しかしその不満点をカバーしてしまうだけの一級のサスペンス小説となっていると思います。<BR>前作でのショッキングなラストを受けてスタートする本書では、榎木津氏や今までは完全脇役だったキャラの出番も多く、京極堂の重い腰を上げさせるのが意外な人物の一言だったり、最後の立ち回りにも意外な人が、と随所にシリーズを通読してきた人を満足させてくれる一冊。<P>前作では風太郎の連作モノを、本書では久作の代表作と笠井氏のシリーズに登場する人物を思い起こしましたが、そこは流石に京極流に仕上げられています。

 京極堂シリーズにはめずらしい短くまとめられたひとつひとつのストーリーズ。<BR> わらわらと出てくる新旧登場人物大集合の様相はまさに百鬼夜行。しかし多くの登場人物がなぜ必要だったのか、最後の最後にうなづけました。<BR> 今までの事件では常に巻き込まれ陰陽師だった京極堂ですが、今回は京極堂こそが事件の只中にいて、その他一味が巻き込まれというめずらしい展開です。<BR> 今回も関口君は今まで以上に散々な目に合います。関口が選ばれたのは彼がひとえに京極堂にとって知人ではなく、大きな存在だからだと信じたい。<BR> そして今回も榎木津は大暴れです。八方塞の状況を打開するのは榎さんしかいません。 今回は彼がただの馬鹿ではなかった事を思い知らされました。 <BR> がんじがらめになるとなおさら座敷から動かなくなる京極堂<BR> 対してがんじがらめになるとなおさら大暴れする榎木津 <BR> 京極堂を問いただし説得するなんて榎木津にしかできません。 <P> 15年もかけてこんな事件が起こったと考えるとぞっとする話ですが、事件が解決しても謎が残ってしまいました。<BR> どうも京極堂の過去はただ事ではないようです。<BR> あの黒幕との因縁もまだまだ続きそうです。<BR> これからのシリーズもまた楽しみになりました。

『姑獲鳥の夏』から『塗仏の宴―宴の始末―』までとうとう読み終わってしまった。<BR>私はこの7冊が全部出た後に京極堂シリーズを知り読み始めたので、全く勝手なことながら<BR>この『塗仏の宴―宴の始末―』がシリーズの最終回のような心持ちで読んできた。<BR>だから、本作も残りわずかになると、「もう、これで終わりなんだ」と寂しくなってしまい、<BR>ストーリーとはまた別に、読み進めるのが切なくなってしまった。<BR>読み終えてしまった直後には、喪失感まで残ってしまった。一読目という特別は、<BR>もうなくしてしまったからだ。いったい次は何を読んだらいいのだろうと、考えてしまった。<BR>だが、その分興奮や感動も大きかった。<P>今までになく大きな話だった。関係ないよう思われる話が、これでもか、と言わんばかりに出てきた。<BR>覚えの悪い私なんかは、人物の関係図をいちいち書いて整理しながら読んだほどだ。<BR>その、一見関係ないような数々の話の繋がり方は今までの作品はそれぞれ違っていて、<BR>私は『魍魎の匣』を読んだときに「全部が同じものとして繋がるだけじゃないのか!」と感心したのだが<BR>本作のような話の繋がりも、気持ちが良いものだった。<P>また、今までの作品で、私があまりにも理解できず好きになれなかった榎木津も、<BR>今回ばかりはかっこよかった。中禅寺が憑き物を落しに向かう場面はワクワクしてしょうがなかった。<BR>今までの他の作品で関わってきた登場人物たちが、再び事件に絡んでくるところなんかは、<BR>シリーズものならではの楽しみだろう。話が出来すぎた感はあるが、「この世には不思議なことなど何もないのだよ」<BR>というように、全ては整合性を保っていて、更に私は嬉しくなってしまう。<BR>あえて難を言うなら、鳥口が中禅寺の心のうちを語るくだりなんかは、説明がましくて興ざめしてしまった。<BR>分かりやすくていいとはおもうが、出来れば違う形で読者に伝えてほしかった。<P>この話は、所謂「探偵小説」じゃないから、結局最後まで読み終わった後でも分からないところが残っている。<BR>宴の始末はまだついていない。現に、私も「分からない―謎―」に、憑かれてしまったようだ。<P>冷静に考えてみれば、まだまだ何かがおこりそうですね。

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