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夜市 ( 恒川 光太郎 )

星も月も出ていないのに、ほのかに白いものを内に秘めた蒼い闇夜。風がしきりと吹いているのに、音が全く存在しないような静かな世界。そんな情景が脳裏を浸すような独特な風情を感じます。寒くもないのに全身に鳥肌が立つような不思議な違和感。ガールフレンドを連れて岬の森で催されているという夜市に出かける青年。その奇妙な市場での顛末を描いた表題作。何の説明もなく「学校蝙蝠」だとか「永久放浪者」という言葉がひょいと出てくるのですが、おぼろに雰囲気が浮かび上がってきて、作品に一層の深みを与えているように思います。どこまでも続く舗装されていない小道を巡る物語「風の古道」もなんともいえない味わいのある逸品です。また、装丁がこの本のテイストを非常に上手く表現しています。

中篇2本からなるこの本はとても幻想的で美しい文体と、かつ斬新な内容の物語です。読みやすく、情景描写が巧みでイメージが容易に浮かび上がります。<BR>最後まで飽きずに一気に読んでしまいました。<BR>ホラーというよりも上質なダークファンタジーという感じです。

まず、作品自体は、表題作および併録されている「風の古道」共に良作だと思う。ホラーというより「千と千尋」テイストの入った怪異譚といった趣で、失われたものに対するノスタルジックな感情を呼び起こす構成はなかなかのものである。少なくとも私は、この本を読んで後悔というものは全く感じなかった。<BR>問題は帯の「日本ホラー小説大賞 史上最高傑作」という謳い文句である。これはいかがなものか。科学とホラーを融合させエンタテインメントとして結実させた「パラサイト・イヴ」、怖いという点では比類なきレベルの「黒い家」、方言や土着というものから恐怖を紡ぎ出す斬新な「ぼっけえ、きょうてえ」など、みなこの賞の大賞受賞作品である。小説のタイプも様々で、一概にどれが優れているともいえないであろうと個人的には思うが、そんな中での「最高傑作」とは何を根拠にしているのか。編集部の感想か?選考委員の意見か?<BR>この帯をみて買う人が相当数いるであろうことを考えると、随分無責任なことをやっているなと感じざるを得ない。こんなことは著者自身のためにもならないだろう。もしホラー大賞のテコ入れをするなら、こんな煽り文句を載せるのではなくまず選考委員を全とっかえしてはいかがか?<BR>最後になるが、この著者は次回作もぜひ読んでみたいと思っている。

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