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印度放浪 ( 藤原 新也 )

完全に敗北した。徹底的にうちのめされた。こんな感情を味わうのは久しぶりである。この本は、30年以上前、僕と同じ年齢であった23歳の若者が書いた。それが、信じられなかった。徹底的にうちのめされたので、むしろ気持ちよくなった。完全にうちのめされて、藁半紙のような紙に印刷された原色の印度の人々や川の写真が敗北した心に染み入った。才能。もの書きとしては第一級の人物である。椎名誠が子供の遊びに感じられる。。。<P>冒頭、15年ぶりにこの旅をふりかえった著者が「なぜインドに行ったのか」と質問する若者の影に、過去の自分を投影する。「青年は何かに負けているようだった。たぶん青年は太陽に負けていた。そして、青年は大地に負けていた。青年は人に負け、熱に負けていた。青年は牛に負け、羊に負け、犬や虫に負けていた。青年は汚物に負け、花に負けていた。青年はパンに負け、水に負けていた。青年は乞食に負け、女に負け、神に負けていた。青年は臭いに負け、音に負け、そして時間に負けていた。青年は、自分を包みこむありとあらゆるものに負けていた。疲れたその青年の目は表情を失っているかに見えたが、太陽にいられて眩く白熱する、目の前の地面を、ただぼんやりと見つめ返すだけの意思をわずかに残していた。」著者は、自分は、何かに負けに行ったのではないかと結論する。。。<P>「火葬」の章の箇条書きがすばらしい。その一つ一つの文章が、まるで、一人の男の人生を支えてきた肉体が火に焼かれ蒸発する際に発する、一瞬の光のようだ。また、「死神」の章の幻惑的な文章がいい。コカ・コーラ伝説の幻想。完璧な文章の背後に、著者はこのような危うさまで抱えている。。。文章に惚れた。

P.27~88の語録がおもしろい。例えば、インドの人たちのことを“悪人、俗人入り乱れて人間博覧会みたい…”と表現している部分。<BR>写真に奥行きが感じられます。ただ、途中ガンジス河畔での死体も出てくるので、グロいのが苦手な人は直視できないかもしれません。<BR>藁半紙みたいな紙を使っていて、文体と写真の朴訥さが出ているような感じがしました。<P>旅行記としては、話がもう30年以上前のことで色あせが激しく内容もイマイチですが、青春論として読むなら、若い人にとって色々共有できる部分があると思います。著者の青春時代の「熱」を感じました。

写真が豊富で私にとっては写真集。<BR>フチもなくページ全面(時には見開き全面)で迫ってくる写真。美しくて死が身近なインド。少女の瞳が鋭く深くみずみずしい。男たちの目も鋭いけれどどこか乾いて。<P>若かった私に、どの写真も深く印象に残った。本を閉じても、何年か経っても、忘れられない視線とぶつかるはずです。読み返すことは滅多にないのに、手放したくない一冊になりました。

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