桜が創った「日本」―ソメイヨシノ 起源への旅 みんなこんな本を読んできた 桜が創った「日本」―ソメイヨシノ 起源への旅
 
 
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桜が創った「日本」―ソメイヨシノ 起源への旅 ( 佐藤 俊樹 )

桜前線予報から始まる日本のお花見狂詩曲。3月から5月までかけて日本列島を北上して行くこの大騒ぎは、その土地の名所の桜がまとまって植えられ、一気に咲き、一気に散ってしまうからこその大騒ぎなのですよね。ところがつい百四、五十年前までは、花は梅も桜もツツジも好まれ、桜は花が緑の葉に照り映え、一重も八重も取り混ぜて、ひと月にわたって楽しまれていたとは! 目からウロコ、の出だしです。桜並木も靖国の桜も、散り急ぐ桜のはかなさも、実はソメイヨシノの出現以来の、比較的新しい桜の風景だったのですね。数年前に庭の八重桜の木を泣く泣く伐ったのを悔やみつつ、複雑な思いで読みました。<BR>ここ数年、春になると桜を歌った名曲が生まれていますが、どれも思い浮かぶ風景は、ソメイヨシノの花盛り。昔のものを読んでいて桜に出会った時は、よくよく頭を切り替えなければ。…それにしても、昔の人が憧れ歌った桜の咲き様を具現したようなソメイヨシノ。しかも現在の日本の社会的・経済的ニーズにもぴったりとマッチし、なぜか人の心をかきたててやまないその姿。いろいろと意見はあっても、やはり名花というべきなのでしょう。<BR>桜が日本の象徴とされ、心ならずも負わされた不幸な役割については『ねじ曲げられた桜』(大貫恵美子著、岩波書店)という力作があります。どの時点から「ねじ曲げ」られたのかについては、二つの著作の間に微妙な意見の相違もあるようですが、興味のある方はこちらもお薦め。ともかく元来日本人は、決して桜の散り際を尊んではいなかったのです。<BR>文章のうねりが何となく読みにくかった(それゆえ★4つ、惜しい!)のですが、内容はなかなか楽しめました。当地は今春、開花以来低温が続き、いまだに葉桜にならないソメイヨシノを眺めながら、この本を読むことができました。

満開に咲いたソメイヨシノにめぐり行く季節を感じ、思いを馳せる。<BR>日本人なら誰もが経験し、「日本らしい」と信じている光景。<P>しかし、これらは近代国家の成立の流れの中で、<BR>「想像」により構築されたもの、と主張するのが本書である。<BR>ソメイヨシノがシンボライズされる過程が述べられる。<P>この本を読みながら真っ先に想起したのは、<BR>ナショナリティや民族問題に関する名著、<BR>B,アンダーソンによる『想像の共同体』である。<BR>そこでは小説や新聞、共通の言語などが近代国家想像のシンボルであったが、<BR>ソメイヨシノもそのシンボルであったとは………。<P>また、自然と人間といった環境の思想にまで話は及び、興味は尽きない。<P>いつも目にして当たり前と思っていることに<BR>違う視座が与えられる、そんな読書体験だった。

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