作家の収支
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「作家の収支」(森博嗣)、書評

 作家の収支はタイトル通り、森博嗣さんのこれまでの作家人生での収支について書いた一冊。

 作家がどれくらい稼いでいるのかは結構ニーズにありそうなテーマであるがありそうでなかったテーマである。

 お金のことは濁して書かれる場合も多いのだけれど、本作は金額がかなりリアル。

 印税収入の多寡は作業時間とまったく関係なく、本がどれだけの量売れるかで決まるため、コスパの良さはどれだけ短い時間に大量に文章を書け、それがどれだけの人に売れるかに依存する。

 森さんは作家という仕事のコスパの良さを強調しているが、非常に多作で短時間で文章を書け、キーボードで打てる限界スピードをそのまま原稿を書くスピードとして計算しているのでそれがどれくらい参考になるかは人による。

 分野は違うが、以前編集の人と話した際にも、編集はいつも文章を書ける人を探している旨の話を聞いたことがあり、寡作であっては話にならず、多作であることが作家にとっての唯一の営業であるというのはごもっともだと思う。

  

作家の収支

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・あなたは小説家の文章がいくらで売れる知っているか?
・僕は1時間で6000文字(原稿用紙約20枚分)を出力する。
・傑作も駄作もエッセィも原稿料はあまり変わらない。
・人気作家の人気とは「質」ではなく、あくまで読者の「量」のこと。
・印税はふつう10%だが、交渉次第で数%上がる。 ・1冊も売れなくても印税は刷った分だけ支払われる。
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