表紙のかわいらしさと帯の「モーニングで一番大好き！」というアオリにつられて、 <br />かわいい少年の心温まる物語を想像して買うと、間違いなく悶絶する結果になるこの一冊。 <br />この漫画の真実は、帯の下に隠された部分にこそ存在する。 <br /> <br />ここで描かれる虚山一家とその周辺の日常は、 <br />とにかく「変」であり、哲学的であり、でもやっぱり「変」である。 <br />だが一度はまるとやめられない、中毒のような面白さがあるのだ。 <br />常人にはとても思いつかない発想と斜め上の展開を用意しながら、きちんと笑わせてくれるのが素晴らしい。 <br />ほとんど表情に変化がない(けどかわいらしい)ムー夫と、 <br />表情どころか顔の輪郭さえ変わりまくる(キモかわいい)お父さんを見てるだけでも笑えてくる。 <br />日常生活でふと、沸き起こる様々な疑問に、答えを突き抜けて快楽を与えてくれる、 <br />そんな脳に良いのか悪いのか分からない最高のギャグ漫画である。