一瞬の風になれ第一部 --イチニツイテ-- : 佐藤多佳子

みんなこんな本を読んできた 一瞬の風になれ第一部 --イチニツイテ--

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一瞬の風になれ第一部 --イチニツイテ-- ( 佐藤多佳子 )

テレビの情報番組でこの本を知りました。フィクションの本を読むのは、推理小説やミステリーがメインですが、走る事が好きなので興味を持ったと思っています。 読む前は青春ものを楽しめるか自信は無かったのですが、ぐいぐい引き込まれて一気に読みました。三部まで全て読みましたが、この一部から始まり、何度も泣けてしまいました。 登場人物達の、陸上にかけるひたむきな姿勢が強く伝わってきて、自分自身が学生時代に熱い思いでスポーツに打ち込めなかったので、「当時こんな本に出会えていれば」という思いと、「自分の子供が大きくなったら是非読ませたい」という思いを感じました。今の若い人達にも是非読んでもらい、良い影響を受けて欲しいと思える作品でした。

高校の陸上部を描いた３部作の第１部。 　超高校級のサッカー選手を兄に持ち、熱烈なマリノスサポーターの親に育てられた神谷新二が、限界を感じたサッカーにあきらめをつけ、高校からは陸上を始めることに。 　サッカーで鍛えた身体を持つターミネーター系の神谷は、兄と同じ天才系のスプリンターで幼馴染みの一ノ瀬連と同じ短距離走者になる。部活の先生のみっちゃんこと三輪先生は、「下半身に強烈なバネがあって、球技が苦手なタイプはスピード競技で大成するんだ」と言う。スプリンターとしての潜在能力を持つ神谷は、連と一緒に“４継”と呼ばれる４×100Mリレーで陸上デビューを果たす。そして、連のすごさ、同学年のライバルたちを目の当たりにした神谷は、純粋に連やライバルたちより早く走りたいと陸上にのめり込んでいく。 　モデルになった高校が近所にあるということで興味を持ち、読み始めたものの、試合描写が克明に描かれるタイプのスポーツ小説ではないので、手に汗握る局面や緊迫した試合展開などはあまり感じられなかった。どちらかと言うと選手のメンタル面、心理描写が色濃く描かれている作品であろう。

文章も登場人物も会話も軽すぎて中身が無くまったくと言っていいほど感情移入できない。 「今時の高校生はこういう風だ」と言われれば返す言葉は無いが・・・まぁ〜まだ一巻目を読んだだけだから後の２〜３巻を読めばいいのだろうけど・・・それにしてもここまで登場人物に感情移入が出来ないを読んだのは初めてだったし、なんて言えばいいんだろう・・・陳腐な二流の青春小説を読んだような気分だ。 テレビの情報番組や書店の店員さんが書いたポップ、友人に「おもしろいから読んでみたら」と薦められたが・・・みんなが良いと言っているからと言って必ずしも面白いとは限らないんですね〜。

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あさのあつこの『バッテリー』、森絵都の『DIVE！』と並び称される、極上の青春スポーツ小説。    主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連だ。新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。夢は、ひとつ。どこまでも速くなること。信じ合える仲間、強力なライバル、気になる異性。神奈川県の高校陸上部を舞台に、新二の新たな挑戦が始まった――。    3部作の第1作に当たる本書では、新二がシーズン（春から秋）の1年目を終えるまでが描かれる。競技の初心者である新二の目を通じて、読み手も陸上のいろはが自然と身につく構成だ。見事なのは、競技中の描写。新二が走る100m、200m、400mなどを中心に、各競技のスピード感や躍動感が迫力を持って伝わってくる。特に、本書の山場とも言える4継（4人がバトンをつないで合計400mを走るリレー）では、手に汗握る大熱戦が展開される。    丁寧な人物描写も、物語に温かみを与えている。生き生きと描かれる登場人物たち、彼らが胸に抱えるまっすぐな想い。その1つひとつが、小説全体に流れる爽やかさを生み出し、読み手の心を強く揺さぶるのだ。    何かに、ひたむきに打ち込むこと。風のように疾走する新二や連を追ううちに、読者は、重たい現実を一瞬だけ忘れ、彼らと同じ風になることができるのだ。（小尾慶一）

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