種の起原〈上〉 みんなこんな本を読んできた 種の起原〈上〉
 
 
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種の起原〈上〉 ( チャールズ ダーウィン 八杉 龍一 )

◆ダーウィンの種分岐論はこういう。昔ある種Aがあったとする。あるとき、それが亜種を経て独立の種Aa、Abに別れた(A→Aa&Ab)。このとき、もとの「種A」は「属A」に“繰り上がる”(奇妙なことに、ここで種Aが「絶滅した」と彼は考える。Aは「生き続けた」からこそAa/Abに進化したはずだが)。◆さらに時を経て、種AaがAa1とAa2という種に分岐したとする(Aa→Aa1&Aa2)。このとき、同時にAbも種分岐した(Ab→Ab1&Ab2)とすると、Abも属になる。AaとAbの共通の祖先Aは、「属Aa」と「属Ab」の上位タクサ、つまり「科A」ということになる。この場合、系統進化の「繰り上がり」は整合的である。じつは、ダーウィンはこの場合しか考えない(4章、14章)。◆ところが、Aaの分岐時点で、種Abがまだ単一種に止まっている場合、系統「繰り上がり」に矛盾が生じる。つまり、Aは「属Aa」に対しては「科」になったのに、「種Ab」に対しては「属」のままである。この矛盾を解決するには、「種Ab」を無理に属扱いすればよい(「1属1種」)。ダーウィンは長期間同一の種に止まる場合もあると認めている。もし当初のAの分岐でAa、AbのほかにAそのものがそのまま存続したらもっとややこしくなる。◆さて現代進化学では、形態的に大きな差異が生じると、単系統で生殖的に連続(親子関係継承)の生物系統にも、異なる属名をつける。人類は、ラマピテクス属、オーストラロピテクス属、ホモ属(種はH.ハビリス、H.エレクタス、H.サピエンス)を渡りあるいた(?)ことになる。これはダーウィン的な系統「繰り上がり」論とは相容れない属概念である。ダーウィン流では種を遡ると属、それを遡ると科に行く。種(共同生殖集団)は種から生じる。しかし、属から他の属に遡るという話にはならない。論理的にはダーウィンのほうが正統的である。彼は、「種の通時的な変遷」をとらえている。現代進化学は、単系統の生物種(通時的な同一種)を形態種(共時的種)で区分して矛盾をきたし、ついには「種は実在しない」という逃げ道に逃げ込んでいるように思われる。

ここに訳出されているのは、初版"the Origin of Species"です。<br>なぜ、その後の研究の蓄積を含まない初版なのでしょうか?<br>これについては、「解題」で訳者が、進化学者の古老Ernst Mayrエルンスト・マイアの言葉を引いて述べています:<p>進化生物学がまだ若い科学であった時代にはダーウィン自身のテキストで学ぶ必要があり、それで最終版が主要なものになったが、すでに多数のテキストが出されている現代では、われわれが『起原』にもどってみようとするとき、西方世界に旋風を生じさせたその最初の版を手にとることが必要になる…<p>この本はもちろん博物学(生物学)を根元から作り変えました。<br>当時人々の大半は生物種が分岐することすら納得してはいなかった。<br>そのことを頭に入れてこの本は読む必要があるでしょう。<p>叙述は慎重であり、時に迂遠です。<br>おそらく、少しの予備知識は必要でしょう。<br>多く入門書はありますが、私には佐倉統「進化論という考え方」が、<p>今日的な視点!から平明な説明をしていて助けになりました。

ここに訳出されているのは、初版"the Origin of Species"です。<br>なぜ、その後の研究の蓄積を含まない初版なのでしょうか?<br>これについては、「解題」で訳者が、進化学者の古老Ernst Mayrエルンスト・マイアの言葉を引いて述べています:<p>進化生物学がまだ若い科学であった時代にはダーウィン自身のテキストで学ぶ必要があり、それで最終版が主要なものになったが、すでに多数のテキストが出されている現代では、われわれが『起原』にもどってみようとするとき、西方世界に旋風を生じさせたその最初の版を手にとることが必要になる…<p>この本はもちろん博物学(生物学)を根元から作り変えました。<br>当時人々の大半は生物種が分岐することすら納得してはいなかった。<br>そのことを頭に入れてこの本は読む必要があるでしょう。<p>叙述は慎重であり、時に迂遠です。<br>おそらく、少しの予備知識は必要でしょう。<br>多く入門書はありますが、私には佐倉統「進化論という考え方」が、<p>今日的な視点!から平明な説明をしていて助けになりました。

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