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ヨーロッパ文化と日本文化 ( ルイス フロイス 岡田 章雄 )

 宣教師である著者の視点より、日本とヨーロッパの文化的相違を記述している本です。<p> 多方面の物事について、ひたすら比較形式で簡便に書いてありますので、想像力がかきたてられ結構楽しめた1冊でした。<br> <br> 戦国期のわが先祖達の生活様式に違和感も覚えれば、共感もあり、にやけてしまうこともしばしばでした。カッティングゲーテの「長崎伝習所の日々」も併せ読んだのですが(読み物としては圧倒的に楽しめる本です)鎖国をはさむ約200年でのわが国の変遷を微量ですが感じ取る事が出来ましたので本書と供にお勧めいたします。<p> 

 翻訳本にありがちな「それのそれによるそれのそれによって」みたいな文章がなくて非常に読みやすい。外人が見るとこんなのなのかー、へぇー、とすっきり頭に入って愉しい。でも翻訳してこんだけ小さいんだから、原本はもっと簡単なんだろうなぁ。

「織田信長や豊臣秀吉の時代、日本人は箸で食事をしていたが、ヨーロッパ人は手づかみでたべていた」<p>トリビア風に書けばこんな具合になるであろう16世紀後半の日本とヨーロッパの習俗が、ごく短い文章で対比される。その数なんと598。男性、女性、子供、宗教、食事、武器、馬、医療、建築などなど、記述は生活のありとあらゆる事柄に及ぶ。<p>考えてみれば、400年前だって、人は怒ったり、泣いたり、笑ったりしながら、食べて、寝て、働いて、遊んでいたのだ。今となんにも変わりはしない。織田信長や豊臣秀吉の派手な活劇の一方で、人は人の暮らしを営々と営んできたのである。まさにフロイスがその目でみたように。<p>学生時代に歴史の勉強をしていた頃は、こんなことは考えたこともなかった。歴史に残る派手なイベントや、歴史に残る派手な活躍をした人たちの名前を覚えることが、歴史の勉強だった。しかし、人の歴史というものは、ほんとうはこういうことではなかったのか。<p>むろん、過去の事実がそのまま「歴史」になるわけではなかろう。事実それ自体は客観的物理的現象で、それ以上でもそれ以下でもない。過去の事実に何がしかの意味づけをし、プラスにせよマイナスにせよ価値を与えるのが「歴史」の所作であろう。<p>しかし逆にいうならば、学校で教える「歴史」はあまりにも政治的な価値に力点を置き過ぎてきた。人の生活がどう変わってきたか、日本人はかつてどのようであり、今どのようであるか、そういった観点での意味づけが不十分ではなかったか。<p>本書の「トリビア」には、特別の意味づけはない。フロイスの観察した当時の日本人の習慣が、坦々と並べられているのみである。したがって、そのことに「意味」を見出すのは、本書を読む読者自身である、といってよい。たとえば女性に関する記述では、性におおらかであったことが伺える。娘が親に無断で何日も家を空けることも許されていたようだ。これをどう考えるか。いまの日本人のありようと比べてどうだろうか。これも「歴史」である。<p>日本人ってなんだろう、最近、よくそう思う。<p>このところ、イラク戦争への自衛隊派兵、北朝鮮の拉致問題、アテネオリンピックの金メダルラッシュや少し前ではサッカーのワールドカップでの活躍など「国としての日本」を意識する場面が増えてきたことがあるのかもしれない。<p>日本人は、ワールドカップやオリンピックといった場面では、瞬間発火的に団結し盛り上がるのに、終わるとすぐに醒めて日の丸には見向きもしなくなる。これでは運動会の玉入れと同じだ。日本人のナショナリズムは極めて幼い、と外国人に指摘されるゆえんである。<p>この原因が、全て歴史教育のせいだとはいわないが、しかし、日本とはなにか、日本人とは何か、もっといえば、自分とはいったい誰であるのか、その意味を知ることこそが歴史教育の真の目的であるはずなのに、それを正面から教えてこなかったのは事実である。<p>今の日本人は、自分が誰なのか、ほんとうにわからなくなっているのかもしれない。<p>とまれ、はじめは雑学でよいのである。雑学のなかに、そういうことを考えるきっかけがひとつでもあればよい。そのネタとして本書はまさに「トリビア」の宝庫である。

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