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大学・中庸 ( 金谷 治 )

五経の一つである礼記中の二編である大学・中庸 <br /> <br />大儒・朱子によって四書として論語・孟子と並び評され、学び始めの「大学」、学び納めの「中庸」と云われていることはつとに有名なことである <br /> <br />本書において私が深く感じ入ったのは、「大学」が”修身”を根本に置いていることである <br />修身を根本としてこそ、斉家、治国、平天下もある <br />すなわち自分というものを深く知り、日々鍛錬陶冶することによって、自分にとって最も身近な存在である家庭が平和安定し、そうすることによって国は始めて治まった状態ということができるということである <br />”古きを温(たず)ねて新しきを知る”とはまさしくこのことであるなとしみじみ感じた次第である <br /> <br />本書はこの他にも様々な珠玉の格言がちりばめられており、やはり立ち返るべきは古典であると思わせられた <br /> <br />「まことに日に新たに、日日に新たに、又日に新たなれ」 <br />温故知新とともに、日々清新で新鮮な心持でことに処していきたいと心を新たにさせられる

曾子(紀元前1,2世紀ごろの人)の『大学』は冒頭で「大学之道、在明明徳、在親民、在止於至善」(大人すなわち教養のある人として人から一目置かれる人が最終的に学ぶべき道は、輝ける徳をさらにその実践を通じて輝けるものとすることであり、民衆を親しみ睦みあう陶にすることであり、こうしていつでもべストの状態において止めおくことにある)との言は私のような大学人にとって座右の銘です。

大学・中庸は、論語、孟子とあわせて四書をなす。日本人の民族思想を知る上で四書五経は避けてとおれないので、ともかく、一度は目を通しておきたいと思い、手に取った。 <br /> <br />大学・中庸はもともと礼記49編の一部で、宋代(13世紀)に朱子が再評価して、論語・孟子とともに新儒教(=宋学=朱子学)の聖典としたものだそうだ。朱子はとくに大学への思い入れが深く、原文に大幅に手を加えて改変したばかりでなく、死の三日前まで自身の注釈書に筆をいれ続けたという。 <br /> <br />しかし、朱子の「大学」には江戸期から解釈に誤りがあるとして批判も多く、本書では朱子の書き直した大学ではなく、もともとのテキストをとりあげ、原文、読み下し文、訳文という体裁で解説を加えたものだそうだ。 <br /> <br />内容はむろん、一読したくらいでちゃんと理解できるものではないが、江戸期の小学生がこういうものを教科書として読んでいたのかと思うと、正直驚いてしまう。仁であれ、義であれ、子供でも教えればわかる、ということだろう。 <br />武家の子どもが立派な口上を述べて切腹する話が新渡戸の「武士道」にあるが、大人の教養書である四書五経を子供のうちから暗記させるような教育方法でこそ、子供にして大人社会での美しい身のこなし方を身につけることが可能になるのだろう。 <br />翻って現代を見るに、ここ150年ばかりの科学の知識は教えても、悠久として受け継がれてきた数千年の知恵は教えない。そんな嘆息を覚えた。

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