センセイの鞄 みんなこんな本を読んできた センセイの鞄
 
 
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センセイの鞄 ( 川上 弘美 )

淡々とした文章で続くツキコとセンセイの関係。しかし、それは、単なる「淡々」としたものではない。読み進めていくと、文章の流れはゆるやかであるが、現代を生きる私たちが忘れていた感覚をよみがえらせてくれる。また、その文章は、読んでいて、思わず笑ってしまったり、涙が出たりと、様々なことを思い起こさせてくれる、いわば、癒しの小説といってもいいだろう。

ツキコさんのキャラクターが、全く恋愛には向かない、<BR>さっぱりしすぎている性格で、<BR>そんな(きっと男性からはあまり「かわいい」とは言えない女性が)、<BR>気が付かないうちに深く激しい感情を募らせていく姿が、<BR>なんともかわいらしかった。<BR>今のとにかく連絡を取り合わなくてはいられない人間関係の<BR>対極にあるような2人の時間の経過。<P>「愛が育っていく」っていうのはこういうことなんだよな~と、<BR>改めて思う。

30代後半のツキコ、常識的でロマンテイックな事なあまり心が動かされない女性。人に期待しないことが寂しくも辛くもなかったはずだった。センセイへの押さえられないいとしいと想う気持ち。わたしの意見に先入観なく耳を傾け酔うとすることから出るセンセイのやさしさ。いつまでもいつまで二人のとりとめない会話に浸っていたくなった。尽きない相手への想いがさせるとりとめのない会話に。

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センセイの鞄&nbsp;&nbsp;&nbsp;川上弘美といえば、生き物とモノ、時間と空間などさまざまなものの境目が溶け、混じり合うような、エロチックで不思議な世界を描いた作品が特徴的だ。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;本書では、日常を静かに淡々と過ごしていた2人がゆっくりと近づき、季節の移り変わりとともに、互いの関係を育んでいく大人の恋愛を描いている。恋愛といっても、勢いにまかせた情熱のそれとは違う。穏やかな情愛というほうが、しっくりくるような愛だ。あのどろりとした「川上ワールド」を期待する読者はちょっともの足りなさを覚えるかもしれない。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;およそ恋愛とは結びつかないはずの2人―― 38歳のツキコさんと70代のセンセイは、近所の駅前の一杯飲み屋で居合わせて以来の仲だ。お互い1人で酒を飲み、さかなの好みがよく似ている。 <br>&nbsp;「『女のくせに手酌ですかキミは』センセイが叱る。『古いですねセンセイは』と口答えすると、『古くて結構毛だらけ』とつぶやきながらセンセイも自分の茶碗いっぱいに酒を注いだ」 <br>&nbsp;&nbsp;&nbsp;憎まれ口をたたき合いながら、2人は共に過ごすようになる。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;センセイはツキコさんの高校時代の国語の先生だ。背筋をしゃきんと伸ばし、ジャケットを着、いつも同じ黒いかばんを頑固に持っている。一方のツキコさんは独身でもてないわけではないのだが、同世代の男性に誘われてもぴんとこない。かつては恋人とさえ「ぬきさしならぬようになってしまう」のを恐れていた。そんなツキコさんが、しだいにセンセイを強く求めるようになっていく。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;30歳の年齢差を超えるというよりむしろ、センセイの老いをしっかりと見つめていくツキコさん。ツキコさんのまっすぐな思いをまぶしい気持ちで受け止めるセンセイ。進展しているのかなんなのか、じれったい、ゆったりとした2人のやりとりが、ほほえましく、安らかだ。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;川上の紡ぐ言葉と情景がやわらかで、温かく、人を愛することのせつなさがじんわりと伝わってくる作品だ。(七戸綾子)
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