キャッチャー・イン・ザ・ライ みんなこんな本を読んできた キャッチャー・イン・ザ・ライ
 
 
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キャッチャー・イン・ザ・ライ ( J.D.サリンジャー 村上 春樹 )

私は原書の翻訳の野崎訳を推薦します。この本は世界的に有名で<BR>各国で翻訳がされており、一度は読んでおくべき本でしょう。<BR>従って、私はこの本をあなたが手に取るものだとして、レビュー<BR>を書きます。断然野崎訳です。当時の原書はその時代の反抗的若者<BR>の言葉遣いを知る上で、文学的に、そして文化的にも貴重なものと<P>認識されています。野崎氏はその点に留意し、ホールデン(主人公)<BR>の言葉遣いを難解な作業でありながら、日本語でその気品に満ちた<BR>反抗性を表現しています。一方、村上氏はその気品を重んじるあまり、<BR>反抗性への留意が欠如しており、現代の小説を読んでるイメージを<BR>受けるとともに、この小説がなぜ、ホールデンが一人称として物語<P>が展開していっているのか、を考えさせることができていない。と<BR>思います。そして、言うまでもなく、村上訳が野崎訳をベースに編<BR>成されていることを留意すれば、断然....でしょう。

私は13歳なのですが、きっと難しかったのかもしれません...(多分そうです)笑 イマイチ意味が分からなくて、一応最後まで読んだのですが、それでも感動はしませんでした...。半分くらいのところで妹に再会するのですが、その時なんて自分勝手な人なんだ!!とか思っちゃいました...でも、大人になったらもう一度読んでみたいです。〔文章は簡単ですけど、内容は子供には不向きかも...たまに?)

自分自身でありたいという欲求。自分をあるがままに受け入れてほしい、という思い。The Catcher in the Ryeになりたいのではなくて、そんな存在に自分が受けとめてほしい、という救難信号。何がしたいのか、何ができるのか。この世界で、自分の場所を見出だしていない、また見出し得ないのではないか、という切実な不安感。感受性の強い、少年に特有の潔癖さ。そんなやり場のない感情の塊りが、ホールデン少年の、怒りに満ちたスラングとなって飛び出してきます。<P>ホールデン少年は、「セントラルパークのアヒルは冬になって池が凍ると、どこに行くのか?」、という問いを繰り返し投げかけますが、そんなところから、彼の孤独感と、助けを求める悲痛な叫びが伝わってきます。<P>しかし、それだけなら、アメリカのところどころで発行後50年も経った今も禁書扱いにはされないでしょう。この本の恐さは、その言葉遣いの!ためなんかではなくて、アメリカ社会が持つ幸福幻想みたいなものに、真っ向から冷や水を浴びせる内容だからじゃないかと思います。エスタブリッシュメントの側に属し、プレップ・スクールに行くようなお坊ちゃんが、居場所のなさを感じているなんてありえない、あってはいけない、あっても認めない、というような拒絶反応がこの本を禁書にしているのではないでしょうか。そんなアメリカの閉塞感や偽善性を描き切ったサリンジャーは、結局アメリカ社会と訣別して自身隠遁生活に入ってしまいました。<P>社会が成熟すればこそ、それに適応できない人が必然的に出てくる。そんな現実を正面から見据え、しかし安易に救いや解答を出さずにざらっとした筆致で問題点を指摘するにとどめた本書。世界中でロングセラーとっているゆえんはそんなところにあるのではないでしょうか。

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キャッチャー・イン・ザ・ライ1951年に『ライ麦畑でつかまえて』で登場してからというもの、ホールデン・コールフィールドは「反抗的な若者」の代名詞となってきた。ホールデン少年の物語は、彼が16歳のときにプレップ・スクールを放校された直後の生活を描き出したものだが、そのスラングに満ちた語り口は今日でも鋭い切れ味をもっており、ゆえにこの小説が今なお禁書リストに名を連ねることにもつながっている。物語は次の一節で語りだされる。 <p>――もし君が本当に僕の話を聞きたいんだったら、おそらく君が最初に知りたいのは、僕がどこで生まれただとか、しみったれた幼年時代がどんなものだったかとか、僕が生まれる前に両親はどんな仕事をしていたかなんていう「デビッド・カッパーフィルド」調のやつなんだろうけど、僕はそんなこと話す気になんてなれないんだな。第1、そんなの僕自身退屈なだけだし、第2に、もし僕が両親についてひどく私的なことでも話したとしたら、2人ともそれぞれ2回ずつくらい頭に血を上らせることになってしまうからね――。<p>ホールデン少年は、教師をはじめとしてインチキなやつら(いうまでもなくこの両者は互いに相容れないものではない)と遭遇することになるのだが、こうした人物に向けられる風刺がきいた彼の言葉の数々は、10代の若者が誰しも味わう疎外感の本質をしっかりと捉えている。
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