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V字回復の経営 ( 三枝 匡 )

この本のテーマを一言でいえば「大企業病の克服」である。組織・業務プロセスの改革にしても戦略面の展開にしても、あくまで大企業に特徴的な課題をいかに克服するかが中心となっている。逆に言えば、中堅・中小企業、特に昨今のデフレ経済下で不良債権処理に伴う企業再生が課題となっているような企業にとっては参考になる点があまり多くはない。(著者のコンサルティング経験も売上高1000億円以上の企業が中心だそうである。)<P>この本の舞台となっている太陽産業なる会社は、人材、資金、技術、設備、営業基盤等々のいずれの面においても潜在的な経営資源に重大な欠乏はないことが前提となっている。実際に著者と協働した関係者の努力を軽視するつもりはないが、そういう意味では「V字回復ができて当たり前」の会社である。中堅・中小企業の場合はそうはいかない。オーナー経営者の直感や属人的営業力に大きく依存している企業、大口取引先の事業方針に翻弄されている下請企業等々、それぞれの抱える課題は大企業とは質的に異なるものがあるだろう。<BR>この本の考え方・方法論を過度に一般化することは避けたほうがよい。<P>また、この本はミドル以下の一般社員が読んでも、「結局トップが変わらなければ・・・」という英雄待望論に終始してしまうかもしれない。その意味で、やはり大企業のトップが読むべき本である。他方、中堅・中小企業のトップであれば、この本以前にドラッカーでもコトラーでもポーターでも、マネジメントやマーケティングのイロハから始める方がよいし、経営破綻の危機的状況にあるなら、企業再建専門の辣腕弁護士・清水直氏の著「あきらめるな!会社再建」(東洋経済)の方がはるかに実践的でもあり、おすすめである。<P>なお、この本のストーリーは結果としてみると、結局は実質的に五十嵐なるコンサルタントの立てた方針に向かっていかに人・組織を心理操作・誘導していくか、情熱・やる気を引き出すか、というやや直線的で一種「オルグ的手法」のような印象があり、「改革追随者」だとか「確信抵抗型」だとか人間を類型化してモノのように扱っている点に抵抗を感じる読者もいるかもしれない。実際の経営再建過程には、様々な試行錯誤や紆余曲折があり、人間の機微も人為的にコントロールが困難なもっと複雑微妙なものなのではないか、という意味でやはりフィクションの限界を感じる。

これまで、組織変革に関する様々な書籍を読んできたが、本当に「ガツン!」と一発殴られた一冊であった。他人に書籍を勧めることが好きではない性格だが、そんな私が紹介せずにはいられない、良書であった。<P>勿論、私自身、現業が経営コンサルタント業であるということも影響しているだろうが、日本経済の復興を願う、使命感溢れるビジネスマンであれば、広く誰もが共感できる内容ではないだろうか。<P>何より、日米の企業事情と歴史を熟知した著者ならではの視点で、出来る限り、日本人である読者のハートに伝わるように記述されている部分が、さらなる共感を生む。<P>読後には、凄い量のアドレナリンが、体中に漲る。<BR>是非、あなたも、その感覚を体験していただきたい。<P>組織変革の定石を知りたい方に!は、お勧めの書。<BR>続けて、著者の他の書籍も読みたいと思う。

V字回復という言葉がはやっているが、いったい本当の意味は何なのか?またぞろ米国流の新しい経営用語が輸入されたのか?と疑心暗鬼でとりあえず本書を購入し読み始めたら、止まらない。時間を惜しんで二日で読みました。読ませるだけの内容の濃さがあります。「泣けて」「感動し」「経営リテラシーの勉強にもなる」ビジネス書というのはめったにありません。著者が最後に「私は本書を自分のビジネス人生の総決算のつもりで書いた」と言っているが真実でしょう。私もいっぱしのビジネスマンの端くれとしていくつかの経営書を手にしてきましたが、本書ほど感情移入でき、なおかつ、経営改革の本当の姿を、まるで自分がその会社の当事者のような感覚で夢中になって読んだビジネス書は他にありません。勿論、自分が勤務する会社をストーリーに重ね合わせてしまいますが、それが、「体験」を益々増幅させます。また著者の本書の構成、文体、表現などは驚くほど緻密で手抜きは一切ないと断言してよいのではないでしょうか。現場の生の話を元に書かれた本書の前では、あまた書店の店頭に並ぶ経営指南書の山は色あせてみえます。「読む」というより「体験する」機会を持てる本書に出会えて本当によかったと思います。三枝氏の他の著作も引き続きぜひ読みたいと思います。

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V字回復の経営&nbsp;「太陽産業の役員室で開かれた経営会議は、上期の業績不振にもかかわらず、役員たちに危機感がまったく見られない。かつての花形企業も今は成長が鈍化し、マスコミには叩かれ、学生の人気も失せている。このままでは長い会社の歴史が終わる―― そう判断した香川五郎社長は決意を固め、まず役員人事で大なたを振るったのだったが…」 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;本書のストーリーは、事業再建を専門にするコンサルタントである三枝が、過去にかかわった日本企業5社の事業改革を題材にしたもの。ストーリーはノンフィションとフィクションの間、つまり5社での体験を素材に、どの企業にもあてはまる「経営改革のモデル・ストーリー」を構成したものである。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;本書はフィクションであるが、それを感じさせない強烈なリアリティーを放っている。改革のもと、社内に生じる政治力学、葛藤、抵抗勢力とのかけ引きといった細部が徹底して描きだされているのだ。著者はストーリーの進行に合わせて組織硬直化の「症状」を分析したり、改革の「要諦」をまとめたりして、逐一処方箋を示していく。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;ストーリーは、現実の直視と分析、先導者の組織化、改革コンセプトの共有、戦略の意思決定、改革シナリオの現場への落とし込み…という改革のモデルパターンをたどって進む。自ら改革すべき企業の代表取締役となり、リスクと利害を共にするコンサルティングスタイルを取る三枝ならではの経験と知識がストーリーの中に凝縮されている。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;本書は、経営改革のシミュレーションとして他に類を見ないテキストである。けっきょく、「太陽産業」は各役割を担うリーダーが機能し、8年ぶりの年間黒字決算を達成するのだが、ここに日本企業再生のシナリオがあるような気がしてならない。(棚上 勉)
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