書評 みんなこんな本を読んできた 生産マネジメント入門〈1〉生産システム編
 
 
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生産マネジメント入門〈1〉生産システム編 ( 藤本 隆宏 )

二分冊の大部の著書ですが、製造業の経営や、生産管理の本質的な部分の記述は多くはありません。製造業が今後どうしていけばよいのか。生産管理をどのようにしていけばよいのか。このような視点が欲しかったと思います。

アメリカのビジネススクールのテキストは、そのテーマの研究について余すところなく触れているというものである。そんなことで、たいていは20章以上になり、カバンに入れると腕が抜けそうなぐらい重い。一方、日本でのテキストといえば、そういうタイプはほとんどなく、どことなく自説ばっかりであったり、どことなく説明不足であったりで、あまりディシプリンの標準を目指そうというものではない、という印象がある。<P> 本書は、著者がハーバードビジネススクールの卒業生であるからだろうか、アメリカ流の本格的テキストである。しかも、帯の宣言どおり、文系にもわかる生産管理の入門書である。納期、工程管理では必要かもしれないが、少々小難しい技術的な解説があったりするが。おそらくしばらくの間この分野の標準となるだろう。日本企業の事例(それは筆者が自動車産業の専門家であるからだろうが)にそこかしこで触れているのに、どことなくアメリカ的な解説が、本書のテキスト的な特徴を高めている。<P> それにしても、いつも感心するのは、著者の描く図表である。いったい、どうやって書いているのか、と思うほど大量で、それぞれが驚くほど細かい。図7.9にいたっては、板書するだけで1時間半の講義が終わってしまいそうだ。東大の授業で使っているというが、著者は大体早口だが、それでも本当に全部講義しているのかと思うと驚愕である。著者の一連の成果は本当にすごいが、これが2年で改定されるかと思うと、恐ろしい。

私は某自動車メーカーに勤務している。<BR>この類いの本は,入社直後に読んだ大野耐一の「トヨタ生産システム」以来だ。<BR>この本も,自動車産業をモデルにしているケースが多い。ロウ・テクだ,先がない,などと言われつつも,その幅広い裾野を考えると「基幹産業」といわざるを得ないからか?<P>さて,この本,サラッと読み流すのは困難だろう。しかし,一通り読むことで,「生産」の流れがひととおりわかるだろう。これから学ぼうとするものには概要を教えてくれ,経験者には「わかっているけど文章にできなかった」ことが書いてある,と思わせるだろう。「生産」というヒト・モノ・カネそれに情報が複雑に入り組んだ活動に携わる/携わろうとしている者にとって,ひとつの回答となり得る本だと思う。

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