問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座 みんなこんな本を読んできた 問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座
 
 
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問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座 ( 堀 公俊 )

私はコンサルタントとしてたくさんのプロジェクト会議を仕切ってきました。<BR>現在はトレーナーとして、トレーニングやワークショップで、<BR>いわゆる「ファシリテート」しています。<P>その私が読んで、とても網羅的にうまくまとめられた本だと思います。<P>この本では3つのスキルと2つの技法というカタチで、ファシリテーション<P>技術をまとめています。それと問題解決サイクルを組み合わせています。<P>3つのスキルと2つの技法について、簡単に紹介しますと<P>   3つのスキルとは<P>    1.プロセス・デザイン<P>    2.プロセス・マネジメント<P>    3.コンフリクト・マネジメント<P>   2つの技法とは<P>    1.ワークショップ技法<P>    2.グラフィック技法<P>となっています。<P>1のプロセスデザインは、システム思考とMECE思考からなります。<P>システム思考とは問題解決のフレームワークを押さえていくこと。<BR>フレームワークを構成する要素は<P>        1.目的(ミッション)<P>        2.アウトプットイメージ(ビジョン)<P>        3.プロセス(目標・行動計画)<P>        4.役割分担<P>        5.行動規範(メンバー共通の価値観)<P>を挙げています。<P>MECE思考は、マッキンゼーなどのコンサルタントの思考方法に<BR>関する本がたくさん出ているので、ご存知の方も多いでしょう。<P>●漏れなく、ダブりなく、検討する方法●  です。<P>プロセス・マネジメントは、ロジカル・コミュニケーションと論理の構造化<BR>から成ります。<P>   <BR>ロジカル・コミュニケーションとは、つまり、論理的に話そう、ということ。<P>筆者は、「論理の3点セット」というカタチで、論理的であるための<BR>基本要素を紹介しています。<P>      1.事実(起点)<BR>  <BR>      2.根拠(経路)<P>      3.意見(終点)       <P>ここから、ファシリテーターの役割が出てきます。<P>      1.事実(起点)を共有化させる<P>      2.根拠(経路)の乱れを正す<P>      3.意見(終点)を明確にする<BR>  <BR>です。さらにそれぞれのために、細分化して、質問例があげられています。<BR>   <P>「マネジメント・コーチング」という名前で、コーチング手法を企業の<BR>会議に使う動きがありますがこのロジカルコミュニケーションのところ<BR>とかなり重なると思います。<P>そして、論理の構造化。こちらは4つに分けられています。<P>    1.意見をハッキリさせる(議論の先鋭化)<P>    2.意見の固まりをつくる(議論の組織化)<P>    3.意見のつながりをつくる(議論の体系化)<P>    4.議論すべき論点を並べる(論点の設定)<P>オープン・クエスチョンや、クローズド・クエスチョンを使い分け、<BR>ディシジョン・ツリーやマトリクス図で図解しながら、構造化していく<BR>わけです。<P>たくさんの図を使って、説明しているので、分かりやすいです。<P>3つめのスキルのコンフリクト・マネジメントは目新しいものです。<P>これは、コンテクスト(文脈)の共有化とウィン・ウィン・アプローチ<BR>から成ります。<P>コンテクストに対するものはコンテンツ(内容)。コンテンツはコンテクスト<BR>の中で位置付けられ、はじめて意味のある情報になるのです。<P>コンテクストはなかなか見えにくいものなので、これが話し手と聞き手とで<BR>違うことも多く、違ってもなかなか調整できないという難点があります。<BR>ここからコンフリクトが生じるわけです。<P>コンテクストは次のような3つに分け、それぞれにコンフリクト解消の方法<BR>が対応します。<P>    1.目的→より高い目的から見る<P>    2.視点→より広い視点から見る<P>    3.立場→第3者の立場から見る<P>   このあたりは、コーチングにおける質問ととても共通性があります。<P>人間も複数の自己から成っていると考えれば、その複数の自己間の対話を<BR>ファシリテートするのがコーチングであるともいえます。<P>ウィン・ウィン・アプローチについては、コヴィー博士の「七つの習慣」<BR>でご存知のかたも多いでしょう。<P>   「相手も勝って、自分も勝つ」ことです。<P>   このためのアプローチとして、<P>     1.創造によるアプローチ<P>     2.交換によるアプローチ<P>   を挙げています。<P>   また、ウィン・ルーズ型の次善の策として、<P>     3.分配によるアプローチも挙げています<BR>   <P>   1の創造によるアプローチだけ、さらに詳しく紹介すると、このために<BR>   3つの要素が必要だと言われています。<P>      1-本質を見極める力(互いの真の目的を見出す)<P>      2-協調的な関係(互いの利益に向けての意欲を高める)<P>      3-柔軟な思考(多面的な角度からアイデアを出す)<BR>  <BR>   これを促すのがファシリテーターの役割というわけです。<P>とても網羅的に整理されて、分かりやすい本です。

会議で、話が発散しそうになっったり曲がっていってしまうときに、どうやって前進するかというのは、かなりやっかいな問題です。個人的に超合理的な頭のいい人がいるだけでは話が進むことはありません。価値を生み出す貴重な資源である人間とそのネットワークは合理的に解釈するには複雑すぎるからでしょう。<P> 本書では、そういう困った状態の事例の数々が具体的な発言例で例示されます。その凍りつきそうな状況を打開するための理屈と、その具体的な進め方が示されています。簡単なことのようですが、実際に自分が追い詰められた会議を思い浮かべてなかなかこれまでできなかったということに気が付きました。<P> 「人間の集団としての会議を設計しコントロールしてして、生み出す価値を高める」という!スクのレベルをあげるにはとても参考になると思いました。

タイトルの通り、教科書或いは参考書に近い。<BR>紹介されている主要参考文献を見れば分かるが、本著では、リーダーシップ、ロジカルシンキング、議論の技法、質問力、交渉術、コーチングといったスキル・ツールを「ファシリテーション」という概念で統合している。<P>個々のツールについては別途お薦めの本はあるだろうし、この本だけではマスター出来ないだろうが、逆に「組織の潜在能力を引き出し問題解決を促進させる」という目的においては他に類を見ない。<P>流行の論理的思考が個人をベースに展開しているのに対し、この本はあくまでも組織をベースにしている。<P>あらゆる組織のリーダーにお薦めする上級参考書と言える。

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