書評 みんなこんな本を読んできた ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界
 
 
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ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 ( 阿部 謹也 )

 『ネズミを退治した笛吹き男に、街の人たちはお礼のお金を払いませんでした。<BR> 次の日、男が吹く笛の音に誘われて、街中の子供達が付いて行き、行方不明になりました。』<BR> ちいさなころソノシートつきの絵本を見て、<BR>「楽しい音楽に誘われて、子供達はどこにいったんだろうな。」<BR>とあこがれたものでした。<P>「大人は悪いことをしたから悲しい思いをしてあたりまえだけど、子供達はなんにもしていないんだから素敵な場所に行ったに違いない。」<BR> と幼いなりに理由をつけて考えていたのでした。<BR> この本には、子供達の失踪の史実あり、それが伝説になり、それを下敷きにして童話になったと書かれています。<BR> 事件発生当時のハーメルンの市の様子、政治の状態。<P> 伝説が変化していく際の市の状況や市民達の心理状態。<BR> また、変化させていく人達の身分や目的などが細かく説明されていて、とても興味深く読みました。<BR> さて、私が幼いころ感じていたことの答えも載っていました。<BR>「大人の世界で営まれるこうした醜悪な所業の責任をとらされるのは、しばしばいとけない子供たちである。」<P>「素敵な場所に行ったのではない」<BR>と、伝説を伝えてきた人々ははわかっていたのですね。<BR> 真実が内包されているため、この伝説は今日も印象深く世界的に有名になったのだとも語られています。<BR> 伝説の根拠になった資料や、各研究者の資料などを引用し、現在わかっている事を書いてある本です。<P> 私は歴史は詳しくないのですが、丁寧な解説ですのでスラスラと面白く読みました。<BR> 歴史、伝説に興味をお持ちの方におすすめです。 

阿部氏の副業(?)である「世間論」の方は、なんだか良く分からないなぁ、という印象を正直持っていたのですが、本業のこちらは全く別。推理小説のようで、めっぽう面白かったです。表題の有名な伝説を読み解くことから敷衍して、スポットライトは当時の名もない弱者一般に当てられます。「われわれは中世政治史や文化史のロマネスクやゴシックの建築に象徴される華麗な叙述の背後に、痩せさらばえ、虚ろな顔をして死にかけた乳児を抱いて、足をひきずるように歩いていた無言の群集を常にみすえていなければならないのである。」一流の学者の熱意、想像力というのは、ほんとスゴイものだと感心させられました。

誰でも知っている「ハーメルンの笛吹き」ネズミ捕り男の吹く笛の音を追って、町じゅうの子供が消えたという、その昔話は事実だった。1284年にハーメルンで子供たちが消えたが、その理由も行方ももはやわからない。ドイツで歴史を学ぶ著者は、史料のなかにハーメルンでの事件に言及したものを見つけて驚き、現代にまで至る笛吹き男研究史をひもとくのであった。<P>前半には、当時の社会経済情勢の説明とか、いろんな史料の名前とかが出てきて慣れない方にはちょっとしんどいかもしれません。さまざまな学者たちの研究を解説した後半は、その回答のみならず方向性にも時代の影響があるという実例になっています。<P>固い歴史学の本なのに、なぜか背筋がゾッとしてしまうのは私だけかなあ。

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