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経済学思考の技術 ― 論理・経済理論・データを使って考える ( 飯田 泰之 )

まず構成がすっきりしている。経済学も論理的ルールに即しているのは<P>いまさらいうまでもない。最近は、論理的にスジが通っていないことを現実感覚や政治的・社会的ファクターでごまかすやからが多い。なかには前人未到の事態を説明しているのだから、などといって、従来の経済学やあまつさえ論理的首尾一貫性やただ文章の意味が通っているかいないかさえも誤魔化す手合いが多い。<P> 本当に大変なことは論理的首尾一貫性を現実とどう適応させるかであって、現実にあわせて論理破綻を容認することではない。この当たり前ともいえる人類の英知wをちゃんとした経済学の初歩そしてリフレ政策まで結びつけたことは大変評価できる。経済学入門者から経済学にトラウマを抱く人までおおいに進めたい。読みなさい!

 ロジカル・シンキングに関する著作はこれまでに幾冊<BR>も読んできたが、いずれも挙げられている事例が極度に<BR>単純化されたものばかりで、現実的な問題を考える際の<BR>手がかりにするには物足りなさを感じるばかりだった。<BR>その点において、本書は1990年代以降の日本経済という<BR>生の事例を、複雑かつ巨視的な形を保ったまま示すこと<P>で、現実からの乖離を感じさせないよう配慮しつつ、ロ<BR>ジカル・シンキングとは何かを修得できる構成となって<BR>いる。<BR> 筆者のいう「経済学思考」を簡潔にまとめれば、ロジ<BR>カル・シンキングにデータ実証と経済理論をマッチさせ<BR>たもの、となるだろうか。経済学を専門として学んだこ<BR>とがないため、いわゆる経済書を読んでいるとどこに根<P>拠の確実性を求め、どこまでをもっともらしい説として<BR>受けとめるべきか判断に困り、ストレスを感じることが<BR>多い。しかし本書に関していえば、前半における解説に<BR>基づくことを確認しながら後半で日本経済の分析を行う、<BR>というフレームが堅牢に構築されているため、胡散臭さ<BR>を感じることなく読了することができた。理論的根拠を<P>明らかにしているところが「予想屋」の描いてみせる煽<BR>り(安易な楽観論、あるいは悲観論)との質的な違いで<BR>あろう。この点を高く評価したい。<BR> 終章の金融政策を重視する姿勢には少々疑問が残るが、<BR>なぜ自分がそのような疑問を持つのかについても、改め<BR>て認識を深める契機をもらったように思っている。著者<P>の説に対する賛否を問わず、経済学に関する読者の思考<BR>を鍛えてくれる本来的な意味での入門書と呼んでいい一<BR>冊である。

 ロジカル・シンキングに関する著作はこれまでに幾冊も読んだが、<BR>従来、挙げられてあった「事例」と称するものは、いずれも極度に<BR>単純化されたものばかりで、より複雑かつ大きな問題を考える演習<BR>としては現実離れしているとの感が否めず、物足りなさを感じてい<BR>た。その点で、本書は90年代以降の日本経済という、途方もなく大<P>きく複雑な問題を具体例に採用しつつ、ロジカル・シンキングを修<BR>得できるよう、巧みに企画されている。<BR> 筆者の意図はロジカル・シンキングにデータ実証と経済理論を加<BR>えたものを経済学思考と捉えることにあると思われる。私は経済学<BR>を学的な専門としたことがないため、いわゆる経済書を読むたびに、<P>どこに確かな根拠があり、どこが胡散臭い話なのか判断に困ること<BR>も多く、しばしばストレスを溜め込んだものであった。しかし、本<BR>書においては前半で解説した内容に基づき後半の日本経済分析へと<BR>展開する明快なフレームが設定されているため、従来付きものであ<BR>ったストレスを感じずに読了することができた。<P> 一点、終章において金融政策を重視する姿勢には疑問を覚えたが、<BR>なぜ自分がそのような疑問を持つに至るのかについても、改めて理<BR>解できたような気がする。著者の説に対する賛否以前に、現状の経<BR>済を考える上で安易な「福音書」による救済の夢を語らず、読者自<BR>身の思考力を鍛えてくれる本来的な入門書としての役割を果たす一<BR>冊として挙げておきたい。

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