３０分足らずのDVDとフォト＆エッセイ＆ポエトリーで構成されたムックがセットになった作品。酷かもしれないが、アロハロ！の松浦亜弥の写真集＆DVDとどうしても比較してしまいたくなる。<P>２年ちょっと前には彼女こそが今あややがいる所に圧倒的なパワーと魅力で君臨していたのだが、音楽のリリースもなく、「鈴木あみ」から「鈴木亜美」への改名も、どこまでポジティブに受け止めていいのか正直言って困惑せざるをえない。<P>内容的には非常に前向きであろうとしているが、DVDは前半が自分の母校訪問、後半がパーティとインタビューという、実に地味な構成。ショービジネスならではの華やかな話題、すなわちメディアへの露出やツアーやヒット曲がない状態で良質のソフトを作るのがいかに難しいかが逆にわかってしまって、痛々しささえ感じる。<P>しかし彼女はお涙頂戴的な姿勢は絶対に取らないし、エッセイにせよインタビューにせよかえってこちらが勇気づけられてしまうような内容だ。表情も、子供っぽさだけがいい意味で抜けてきているのだが、１０台末から２０台はじめの時期を消耗せずに過ごした結果としてとてもいい顔になってきている。<P>アイドルも一時のひたすらの低年齢化傾向から、往年のアイドルの復活にみられるように多世代向けに多様化する時代になってきたし、彼女にも必ずチャンスがあるはずだ。その日が来るまでがんばってほしいと心から思った。