ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 みんなこんな本を読んできた ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語
 
 
  ●トップページ   ●研究員紹介 ●研究所規則 ●著作権・免責・リンク ●掲示板 ●更新情報
仕事関連

▼お仕事のご依頼

執筆、取材、講演のお問い合わせはこちらからお願いします。

▼広告のご依頼

MM-Labo.com内への広告のご希望はこちらからお願いします。

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 ( スティーヴン・ジェイ グールド Stephen Jay Gould 渡辺 政隆 )

カンブリア紀の生物たちの姿が詳細かつ饒舌に描かれていて楽しいです。あまりに詳細すぎて私はとばし読みになってしまいましたが。科学史としても一級品です。いかにして科学的な知識が生み出されるのか。決して真理の発見ではなく、人間的で社会的な営みとしての知識の「創造」という観点から、バージェス頁岩研究の顛末が描かれています。グールドの進化観。カンブリア紀において生物の多様性は最大に達し、その後は変異の幅を縮小しながらその内部での細かな差異化が促進されてきたにすぎない、という挑戦的な見方はおもしろいです。賛否両論はありますが、グールドの進化観にはうなずける点が多い。極端な自然淘汰万能的見方の中和には最適でしょう。

 文句なしに面白い。内容的に古かったり、強引な部分もあるが、進化に関する既成概念を打ち破るという意味では充分に成功しているだろう。進化論は純然たる科学ではなく、世相に強く影響される社会的なものでもある。グールドはそのことを良く心得ていて、バージェス動物群の発見者ウォルコットがなぜ誤りを犯したのか、詳細に追求していく。思想的背景、宗教、行政的責務などに鋭く切り込み、ウォルコットの誤りは仕方なかったと同情的に語られる。しかし、そこには人間一般に見られる自然な思考の流れへの告発が込められている。自然な思考の流れとは、たとえば、ある生物が絶滅して別の生物が生き残ったとき、後者の方が優れていたというような考え方である。我々にとってこのような考え方はきわめて!然に見え、またしばしば実際に正しい。ところがグールドは、こうした考え方は必ずしも正しくないことを指摘するのである。バージェス動物群がまさにその例であった。グールドは人間の優位性について考え直すことを要求している。『ワンダフル・ライフ』はバージェス頁岩の珍しい生物への興味本位で読むことも出来るが、それだけではないことを忘れないで欲しい。<P> コンウェイ・モリスの『カンブリア紀の怪物たち』も合わせて読むと良い。

 実は2002年8月現在で訊き得た情報では、アノマロカリスの腹面には肢鰭があったとか、現在の主要な分類メンバーでバージェス頁岩動物群をほとんど分類出来る等、発見・研究がなされ、この本の情報は現在では古びてしまっているらしい。<P> しかし、この本を読むまでは、進化の本質は、適者生存で自然淘汰によって生き残ったんだからそいつが強者だ等、間違った教育を受けてきてしまった事を知る由もなかった。進化は数多の実験の結果であることを、学校の先生方は一向に教えていない。それは、教えている者が怠慢で何も知らないか、責任が無いかのどっちかで、被害者は子供達だ。なぜなら、我々現代人もネアンデルタール人や、直接の先祖であるクロマニヨン人に比べて優位だったからではなく、偶然に生き!たヒト科の唯一種に過ぎないことを知らないからだ。<BR>進化論もこれを知ってから読むと内容がまるで違って解釈出来るから驚きだ。<BR>是非、中学生から高校生にかけて読むべき一般書だと思います。

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 ↑ご購入はこちらからどうぞ。
ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語
管理人の書評: 僕はこんな本を読んできた。 はこちらからどうぞ。
| ビジネス・経済 | 金融・経営 | 漫画・アニメ | 文学・評論 | 科学・技術 | 人文・思想 | アート・建築・デザイン | 社会・政治 | ノンフィクション | 新書・文庫 | 旅行ガイド | ホビー・スポーツ | エンターテイメント | タレント写真集 | 歴史・地理 | 医学・薬学 | 資格・検定 | 暮らし・健康・子育て | 語学・辞典 | 参考書・受験 | 子供向け | 楽譜

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語