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子供たちは森に消えた ( ロバート・カレン 広瀬 順弘 )

8年間で50人以上の犠牲者。耳を疑いたくなるような数字だ。<BR>本書は、執念で犯人を追い詰める捜査官と、「その男」がなぜこんな犯罪を犯すに至ったかに迫る骨太のノンフィクションである。<BR>犯罪を扱った同種の本に劣らず、捜査の過程や、犯人の心理分析などの記述はフィクションを超えた面白さがある。だが、この本の魅力はそれだけではないと思う。<P>前時代的な警察機構や捜査がもたらす冤罪。殺人鬼など、「西側」にしか存在しないと思い込む人々。本書を通して見えてくるのは、大国ロシアの病巣にほかならない。<BR>単なる犯罪ノンフィクションとは一線を画す一冊だ。

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