本書でクライフは、戦術ありきではなく、<BR>あくまでも個性とその結びつきを尊重することが第一であると説く。<BR>その上で攻撃的でスペクタクルにあふれる試合をすることが<BR>フットボールの至上の姿ととらえている。<BR>同じような事を語っている人が、日本にもいたような…。<BR>そうだ、日本代表監督のジーコだ。<BR>路地裏フットボール世代の一流選手は、<P>みな共通した理想にたどり着くのだろうか？<BR>来日回数は数えるほどのはずなのに、クライフの日本分析は的確だ。<BR>まあ、少し乱暴な読み方かもしれないが、<BR>クライフの日本代表へのコメントなり彼の監督観なりを<BR>ジーコに置き換えて読み進めると（ついそう読んでみたくなる内容なのだ）、<P>ジーコが日本代表において、実は極めて魅力と可能性に富!んだフットボールを<BR>目指しているのではないか、と思えてくる。<BR>本書の本筋、クライフ自身の人物像については、幼少期から選手絶頂期、<BR>監督時代に至るまで、当時の関係者のコメントを織り交ぜ、<BR>丁寧に紹介されている。<BR>私のようなクライフ大好きっ子（いい年しているが）はもちろん、<P>指導者やジーコ日本の将来にポジティブな想像を抱きたい方にも、<BR>一読の価値があるのではないだろうか。