医学部残酷物語―もう医者にはなりたくない みんなこんな本を読んできた 医学部残酷物語―もう医者にはなりたくない
 
 
  ●トップページ   ●研究員紹介 ●研究所規則 ●著作権・免責・リンク ●掲示板 ●更新情報
仕事関連

▼お仕事のご依頼

執筆、取材、講演のお問い合わせはこちらからお願いします。

▼広告のご依頼

MM-Labo.com内への広告のご希望はこちらからお願いします。

医学部残酷物語―もう医者にはなりたくない ( 保阪 正康 )

医者ほど自由が無い職業も珍しい、ということが分かる。<P>「カネが儲かるから」とか「偏差値が高いから」という理由だけで医学部を選択する人間に待ち構えているのはこんな現実だ。<P>それでも東大だとか慶應のように頂点にある学校に入れれば、その後は学閥の力によってヒエラルキーの上位に位置することができるわけだ。それはそれでいいだろう。<P>別に学究の徒として生きていかないにしても、開業するにしても開業医の子供は別としても、軍資金はいるからしばらくは勤務医として働かざるを得ない。<BR>しかもこれからは開業医も冬の時代を迎えるわけで、開業医もさしておいしい職業ではなくなる。<P>良心を持った、しかし迎合を嫌う医師は結局いつまでも報われないというわけだ。そりゃ間違っている。<P>「!医師」が結婚相手として憧れの的などという時代は終わりを告げているのではないかとも思う。まあどうしても、というなら医局の勝者にターゲットを絞るのがいいのだろうな。<P>本書は医療問題を多く手掛けてきたノンフィクション作家によるものだが、新書ということで余力で書いたという感もある。

 埼玉医大での医者が「day」と「week」を読み違えて患者を治療死させたという事件は、思い出すたびに絶句するしかないものです。この埼玉医大に入学すると初年度だけで1052万円を納付する必要があります。こうした『資料』がこの本には豊富にあります。<P>『平成にはいって、バブルがはじけていくときに、こうした授業料の高い私立医科大にも異変が起こっている。(中略)私立医科大の学長が苦衷を洩らしていた。この大学では然るべき延納の手続きをとってもらうが、現実にはそれとて限りがある。一定の期間がきたら除籍にせざるを得ない。たとえ学生が在籍したいといっても、そのようなケースを例外として認めれば、私立大学の経営などあっさりと潰れてしまう。こうしたケースがふえるにつれ、大学側も面接詡?験のときは、受験生の家庭の経済条件をそれとなく確かめるという質問も、発しなければならない。』(33ページ)<P> 今後ますます学力よりも『金力』が、私立医科大の門を叩く際に問われるということなのでしょう。著者の保阪正康はもう20年以上も前から大学医学部について著書を出していますし、最近でも医療問題を精力的に扱っています。しかし、どの本も医療界に衝撃を与えるものではありません。それは、著者があまりに取材対象である医者や医学部教授と『近くなりすぎていて』、友人知人に厳しいことを言えないというメカニズムが働いているからでしょう。良薬は口に苦しといいますが、この本は医療界にとって毒にも薬にもならないものです。ただ、ある意味で資料としては使えます。<BR> 

現在の大学医学部、医学部生、受験システム、大学と病院のつながりなどに<BR>ついて、コンパクトに上手くまとめてある一冊である。<BR>しかしながら、医学に身を置くものであれば「当然」と言われる内容が<BR>ほとんどであろうし、そうでないものは「なるほど」と納得はできるが<P>結局のところそれ以上に立ち入ることも、何らかの形で関わることも<BR>できないため、何とももどかしい一冊でもある。<P>個人的には、講座制の廃止などを掲げて医学部の改革運動に立ちあがった<BR>当時の学生たちが、結局は体制側に飲み込まれてしまい、大学に残った者は<BR>「うまく身を処した」という、歴史の皮肉が痛々しかった。

医学部残酷物語―もう医者にはなりたくない ↑ご購入はこちらからどうぞ。
医学部残酷物語―もう医者にはなりたくない
管理人の書評: 僕はこんな本を読んできた。 はこちらからどうぞ。
| ビジネス・経済 | 金融・経営 | 漫画・アニメ | 文学・評論 | 科学・技術 | 人文・思想 | アート・建築・デザイン | 社会・政治 | ノンフィクション | 新書・文庫 | 旅行ガイド | ホビー・スポーツ | エンターテイメント | タレント写真集 | 歴史・地理 | 医学・薬学 | 資格・検定 | 暮らし・健康・子育て | 語学・辞典 | 参考書・受験 | 子供向け | 楽譜

医学部残酷物語―もう医者にはなりたくない