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残虐記 ( 桐野 夏生 )

徹夜度    ★★★★★    話題性    ★★★★★<BR>着想     ★★★★☆    作品の重さ  ★★★★★<BR>テンポ    ★★★★★    読みやすさ  ★★★★☆<BR>謎解き    ★★☆☆☆    感動     ★☆☆☆☆<BR>読後感    すこしモヤモヤ<BR>おすすめ度  ★★★★★<P>本作品は、まさに桐野夏生にしか描けない世界。<P>25年前の少女誘拐・監禁事件の被害者で、現在は作家となった「小海鳴海」こと生方景子。彼女の元に出所した犯人から手紙が届き、彼女は失踪。物語は、夫が出版社に彼女の手記を送付するところから始まる。<BR>夫の手紙→犯人の手紙→小海鳴海の手記→夫の手紙<BR>と、手紙と手記のいという珍しい構成の作品である。<P>小海鳴海の手記のなかで、彼女が明かさなかった少女誘拐・監禁事件の真実が明らかにされる。<P>わずか221ページであるが、内容はぎっしり。作者独特の「毒」がきっちり詰まっている。<P>作品の「重さ」と「テンポ」は通常相反するのだが、本作品の場合、重苦しい内容ながら、ついついページをめくってしまい、私にとって、「幻夜」に続く2作目の徹夜本となった。<BR>「OUT」「ダーク」「グロテスク」の作品を楽しめた方には是非お勧めである。<P>余談であるが、「OUT」の英語版が、日本の小説として初めてMWAが主催するエドガー賞最優秀長編賞にノミネートされた。ノミネートされただけで快挙といえよう

35歳の作家(わたし)が一つの文章を残し失踪した。彼女は17年前の少女監禁事件の被害者だったことを、書き記し事件の真実を暴かれようとしたが。。。 この小説もなにか、現実の事件をモチーフにしていそうな気がします。 221ページですが3時間ほどで読めます。 事件が及ぼした両親の離婚、社会的な差別、容疑者との関係、検事との確執など。。。 もっとも残虐記的意味は。。。あとは読んでからのお楽しみに。。

この物語では再三にわたって現実と想像力の相克が語られる。しかし懸念すべきは「リアルワールド」「グロテスク」、本作、と徐々に想像力の飛翔の角度が落ちてきているように思われる点だ。これからも桐野さんの作品は読み続けることになろうが、もう一度「OUT」のような充実を、と期待したい。あざといタイトルは谷崎潤一郎晩年の同名作(婦人公論連載中、読者の抗議で中断)からということらしいが、そちらをぜひ読んでみたい。谷崎作品のフィクションとしての練度は現代作家の比ではなく高いから。

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