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東電OL殺人事件 ( 佐野 真一 )

この本は色んな読み方ができると思った。「出稼ぎの外国人が本当に犯人なのか?」を軸に情報量の多さに、なるほどねーと様々なことが判る。些細なことなら例えばネパールの道路事情のヒドサとか。<P>作者が「聖母」とも書く当該事件の被害者は、拒食症をしたことがある。私の身近にも拒食症を18歳の時に発症した女性がいて経過を20年みているが、この病気は、一見、治ったように見えても根が深く、心のバランスが取れない不安定な精神面は完治が難しいようだ。<P>私も、心療内科病棟に数回、お見舞いに行ったが、拒食症患者達の奇行を感じた。痩せる以外にも、ある方向に突き進んでしまうようだ。何かを買い集めたり、ひたすら歩き回ったり、プレゼント魔だったり・・・。勉強にそのエネルギーが向かうと優等生真面目な人と世間には映るので気が付かれ難い。趣味に向かうと、その道のベテランになったりもする。<P>この被害女性は「お金」を貯めていた。必要以上に守銭奴のように。 道端に落ちている空き瓶でさえ拾って換金するすさまじさに、拒食症患者治療の絶望をふと感じた。<P>作者は男性だから娼婦というものにあこがれをもつかもしれないが、女性の私からすると、時間をお金に換える単なる経済行為だと思う。独身で生きていくと決意し、長女として生計を立てる、ということへの責任感が、自分自身に過酷なノルマを課し、追い込んでいたのだろうか。小銭を稼ぐことへ傾倒し、バランス感覚を無くし周囲が見えなくなってしまう心の病理の奥深さを感じた。<P>被害者ご遺族の苦悩はいかばかりかと胸が痛みます。ご冥福をお祈りします。

事件そのものは衝撃的で関心が薄れない人が多いと思うが、その事件のルポにしてはあまりにも感傷的な文章にイライラさせられる。また、いたるところで「暗喩」だの「引き合わせ」だのと、感じいって内にこもられるので、いい加減にしてくれっと言いたくなる。読めども読めども天守閣(真相)に近づけない。クールなルポを期待する人にはお勧めできない。

始めの断り書きの中で、著者は東電OLが堕落の道を歩んだその本当の理由を少しでも浮き上がらせたいと述べている。事件当時のマスコミによる残虐なまでのプライバシー侵害報道(作り話も多数あったよう)によて傷つけられたであろう彼女のために。彼女の無念をはらすために。私はそれを読んで興味を持ち手にとってみた。しかし実際読んでみると、容疑者となっネパール人の無実をはらすため彼の故郷に行ってみたり、必要以上に裁判の様子が描いてあったり(どうやって殺されたかはあまり興味ないんだけど・・・)、あまりに彼女に関係のないことが羅列されているような気がした。ネパール人の冤罪を覆すことを軸にした話だったっけ?と思うほど、そういったことの方に比重がいっていた。著者の彼女への想いは所々に出てくる熱い言葉に感じられるが、期待通りには彼女の心に近づけていないようだ。著者は、この本の趣旨を述べる際に、決して彼女のプライバシーを暴くために書くわけではない、としている。しかしやはり心に近づくにはそれが必要なのではないか?その前に、著者は十分にプライバシー侵害しているけれどね。だって彼女が一日に何人とセックスしたかとか、とういうようなことは書いてるもの。だったら、もっと彼女の生い立ちなどもきっちり取材してほしかった。今度こそ誤った情報ではない、誠意ある態度で振り返ることができるチャンスだった!私たちは何で彼女が堕落してしまったかを知りたいのだ。この本は逆に彼女を中途半端に放り出しただけで、無念を晴らすどころかもっと辱めにあわせた可能性も否めないものになってる。私のみたところでは。著者の熱意は伝わったけどね。だから星はみっつ。

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