砂の器〈上〉 みんなこんな本を読んできた 砂の器〈上〉
 
 
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砂の器〈上〉 ( 松本 清張 )

松本清張の推理小説で映画化された作品は数多く、横溝金田一シリーズと比較しても引けをとらない。作品数の多さは、それだけ多くのファンを魅了していたことの裏づけでもあろう。<P>しかし、陰影な映像という共通点を持つものの、金田一という世俗離れしたヒーローの存在がラストシーンで飄々とした安堵感を残すのに対して、清張のそれは、見たものの心に深い暗闇を残す。<P>推理作家というよりも社会派作家と評される通り、松本清張は推理小説という形をとって、人間を追い詰める社会の構造や、追い詰められた人間の心の闇を描き出す作家であった。2002年の現在から28年前の1974年に発表された「砂の器」は、映画化されたその作品群の中でも、特に傑出した日本映画史上に残る名作といえるだろう!!<P>警視庁会議室、コンサート会場、父と子の放浪の3つシーンが交錯するクライマックス、刑事役を演じる丹波哲郎がつぶやく「彼はもう音楽の中でしか、父親に会えないんだ」という台詞は、見た者の心をいつまでも離れずに余韻を残す。<P>この映画でも描かれるハンセン氏病に対する隔離治療は、欧米では実施されなかったものだが、日本では長期間に渡って続けられて来た。現在ではまた薬による早期治療で全快率が非常に高くなっているが、長年に渡り適正な治療措置が採られなかったのは、社会的偏見が極めて強かったという背景がある。<P>さらに、このような映画が存在しながら、熊本地裁の原告団勝訴判決に対して小泉総理が控訴取りやめの決断を下したのは、21世紀に入ったつい近年の出来事として記憶に新しい<!P>先日ある座談会で、年配のパネラーが「渋谷の道端に座り込んだ金髪の若者の姿を見るととても悲しい、彼らはこの国が嫌いなのではないか」と語っていた。その通り、きっと彼らの多くはこの国が嫌いなのである。<P>28年の月日が過ぎ去った今、高度成長期に描かれたこの映画を見て思うことは、この国は愛すべき国なのだろうか、愛すべき国だったのだろうか、ということである。<BR>交響曲「運命」が演奏される中、放浪する親子が出会う日本の風景は、あまりに悲しいこの国に生きる人間の原型を描いている。<P>この国には、物が溢れ、人が溢れ、情報が溢れている。しかし、そこに暮らす人々の心は幸せに溢れているだろうか。<BR>決して充たされることのない砂の器という比喩に、今も変わらないこの国の姿があてはま!!ように思えてならない。清張が、この映画が描いた「砂の器」とは、この国に生きる人々の乾いた魂のことを指しているのではないのか。<P>何故ならば、そうした出来事が今日も続いている。<BR>扉の向こう、扉の中で、そのような出来事がかつてなく増え続けているような気がしてならないのだ。

昭和三十年代の日本を背景に、普遍的ともいえる人の暗部が浮き彫りになる秀作です。面白い。読書の好みのジャンルを超えて楽しめる、心に残る小説だと思います。丸。

以前から、松本清張の「砂の器」という小説には興味があったが、なんとなく読みづらいのではという先入観から手に取ることは無かったが、この度のTV化された事により小説のほうを先に読みたくなった。そして何とかTVよりずっと先読みして、ついに読了し、今ではTV放送が待ち遠しくなっている程。この本を読むと、作者の博識ぶりにはただ驚嘆の一言。主人公を音楽家に設定しただけでなく、その専門知識さえ要求されたかのように示し、それでいて難解な文章に読者を困惑させること無く、次の場面に入っていける技など心地良いほどだ。土地による方言についても私にとっては、初めて知る所であり、色々な知識を与えてくれたりするなど、一冊で2度も3度もおいしい本である。

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