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プラネテス (2) ( 幸村 誠 )

1巻で下地は十分。いよいよ本編といった雰囲気です。<P>2巻のハチマキはエゴの体現者を目指す方向に進んでいきます。<BR>これは父ゴローがかつて通って引き返した道(いや、まだ体半分残ってるか?)、弟キュウタロウが今進みつつある道です。<P>ここで、ハチマキがそのまま進んだときの究極の終着点にも似た人物、ロックスミスが登場します。今度はその「悪魔のような、わがままを繕わない、いい仕事をする男」っぷりを生きて眼前で見せる人として登場します。<P>一方、タナベは愛を選んだ人間の一つの終着点として描かれますが、ハチマキの生き方との対立点が明瞭に描かれます。<P>2つの対照的な生き方の間での、<BR>ハチマキの心情の揺れとが2巻の読みどころです。<BR>そして、描いた夢にエゴイスティックに邁進する姿は、ある意味親近感を感じるところでもあります。<P>これらはすべて3巻のテーマのための布石でもあります。

印象に残ったのはロックスミスの夢の実現に向けた悪魔的な情熱、<BR>八郎太の見ていて悲しくなるほどの夢へのひたむきさと、<BR>タナベの八郎太への反感、そこから生まれる母性的愛情・・・そんなとこかな。<P>ロックスミスは夢、というより野望か。<BR>それの為なら千人が事故で星屑になろうが屁でもないという、<BR>常識的に考えれば見事なまでのクズ人間だ。<P>しかし先史を鑑みるにそういった人間こそが今という未来を創ってきたのは紛れも無い事実だし、<BR>すべてを投げ打ってでも実現の為に突き進むところは<BR>本作に登場する最新鋭木星探査機に冠せられた船号であり、<BR>宇宙開発史上の実在の人物でもある、<BR>フォン・ブラウン博士がやってきた事と同じように完全否定なんかできないはずだ。<P>八郎太はそに触発してか<P>木星行きの切符を手にするためなら<BR>家族、地球、そんな一切合財捨ててしまえ、<P>などとあまりに孤独な考えに至る。<BR>ここで深読みすると、きっと作者は、<BR>彼のセリフの痛ましさ、悲しさに耐え切れなくなったのではないかと思う。<BR>タナベは、そんな絶望を背負い込んだ八郎太に対して作者が与えた、<BR>たった一つの希望だろう。

自分の探求心によって多大な犠牲者を出しても、何ら良心の呵責を持たない木星往還船の設計者、ロック・スミス博士。<BR>その博士がどうしても手に入れたい優秀な宇宙飛行士であり、主人公の父親でもあるゴロー。<BR>悪魔のようにエゴの塊であるスミス博士が建造する核融合エンジンに魅入り、それに自分の夢を託す主人公。<P>これらの登場人物が織りなして物語は展開されていく。<BR>自分の存在意義を見出すために生み出した欲望に押し潰され始める主人公。<P>自分自身が生み出す葛藤に打ち勝つために、人間性を捨て去ろうとした主人公は、一人のトリックスターと邂逅する。そのトリックスターとの出会いが、これまで支えにしてきた自分のアイデンティーが崩れ去り、それに戸惑いを覚え始めていく。<P>良質な物語!!!提供してはくれるが、遅筆で非常にイライラさせられる作品の2巻目。<P>好き嫌いは別にして、読後、心に何かがひっかるはず。

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