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GO ( 金城 一紀 )

 最近文庫化された直木賞受賞作。言葉をつないでいくテンポが速く、何より主人公の知に対する姿勢がかっこいい。学校では「落ちこぼれ」でもこれほど知識欲にあふれた若者を描き切るのは、著者にも同等の知性と知識欲がなくては不可能だろう。言葉遣いや文章から著者のあふれんばかりの知性が伝わってきた。

~「在日」をテーマにした作品というと内向的な主人公が虐げられる環境とその心の葛藤に重点が置かれ何となく重たい、読むものに後ろめたい感覚を残すものが多いが(少なくとも自分が読んだ本の中では)、この主人公に関してはそうした湿り気がほとんど感じられない。むしろコンビにでたむろしている日本の若者と同じ視線で、しかしマイノリティというバックグ~~ラウンドが原動力となる爆発的な反抗心、向上心が物語の軸となっている。<BR>~~<BR> ストーリーは喧嘩、恋愛、友人の死といったありきたりの青春小説といった筋だが日本人にとって身近であるもののほとんど直接的な経験のない「在日」の世界に流れる日常を垣間見る感覚が新鮮で、ほとんど同じ民族なのに分かりあえない日本と朝鮮の関係に歯痒さを感じさる。また一方で警察署内での外国人登録で指紋を捺印するシーンなど日本人同士の醜い差別~~をも露呈し、単一民族国の痛烈な批判として胸に突き刺さる。<BR>~~<BR> レビューを書いている自分が湿ってきたがこの本自体はカラッとしていて軽快、暴力描写もそこそこ多いが主人公と恋人と戯れるシーンはセックスもなく可愛らしく、なんとなく懐かしい。日本のその他差別問題もニュースで扱われることがない限り影を潜めてきた時代になったが、風化させたり、他の国の問題として無知になるのではなく今どういったスタンスで向~~き合うのが自然なのかを考えさせてくれる。中学校の道徳なんかこういうのを教材にした方がいい時なのかも。~

 「GO」は、青春小説ですね。<BR>テンポの良い、ハイ・スピード活劇という感じですね。<P> しかし、この作品の底流にある、ずっしり重いテーマは<BR>「在日」の問題です。<BR>いや、それが必ずしも第一のテーマでなくともよいとは思うの<BR>ですが、私にとっては第一のテーマです。<BR> 私にとっては、それなしには、この作品に意義を感じ取れ<P>ない基底的モメントです。<P> 「在日」と書くことにすら、その背後には色々な意味、背景<BR>が横たわっている、そういうものとして書くということ、<BR>そんなこともほとんど考えたこともありませんでした。<BR>(ラスト近くの校庭でのシーンで、「おまえら、どうしてなん<BR> の疑問もなく俺のことを<在日>だなんて呼びやがるんだ?」)<BR>  <P> 私にとって、「在!日」の問題は、近くて、遠い問題でした。<BR> 同じ日本に存在しているのに、<BR>在日の方の多くの小説や評論があることは知ってはいました。<BR>しかし、私にとって、それらは、何か「敷居」が高く感じられました。<BR>その為、一切読んだこともありませんでした。<P> 在日の方たちの、ごく普通の日常生活とか、日常的にどんな<P>生活を営み、どんなことを悩み、考えているのか、そういう<BR>身近な次元で、在日の方たちの内面世界を垣間見ることができ<BR>たという感じです。<P> 民族的な差別に対しては、屁とも思わない、強靭な主人公。<BR>しかし、恋した彼女に拒絶されたことが、初めて心底こたえた<BR>んですね。<BR>在日の方にとって、そういうことこそが、民族的な壁なんですね。<P> そういうことを学べたというこが、私にとって一番大きな<BR>意義でした。<BR> <BR> 民族学校内での実際の様子を、その一断片でも垣間見れました。<P> また、北朝鮮や朝鮮総連を必ずしも全面的には、最早信頼し<BR>てはいないこと。<BR>しかし、それでもやはり、ある人は、民族団体の側で生きて<BR>いくという考え方。<P>また、ある人は、それを超えるものを探し求めるという生き方、、、<BR>そういうことを学びました。<P> 北朝鮮による拉致事件、核開発、朝鮮総連への批判と幻滅、<BR>とっても難しい、苦しい時期だと思います。<BR>それでも、生きていく、その基本的な方向性、基底的なことを<BR>、この「GO」から学べたような気がします。

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GO&nbsp;「これはオヤジでもなくオフクロでもなく、僕の物語だ」。都内の私立高校に通う在日コリアンである主人公「僕」は、ダンスパーティーでコケティッシュな魅力をもつ「在日ジャパニーズ」の女の子に出会い恋に落ち、そして…。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;在日コリアンたちを取り巻く複雑な状況が織り交ぜられているものの、「僕の物語」すなわち本作の根幹は、たわいもない恋愛物語だと判断することもできる。しかし、この物語が、根強く残る差別に対する抵抗の物語でもイデオロギーによって引き裂かれた民族の悲劇の物語でもないところに、著者と著者が代表する「在日」の新たな世代の志向を伺うことができよう。国籍を「在日朝鮮人」から「在日韓国人」に変え、やがて「在日」あるいは「国籍」という枠の外にある広い世界を志向する主人公の思いは、父親がスペイン語でつぶやくこの言葉に象徴されている。「僕は、韓国人でもない、日本人でもない、ただの根無し草だ」。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;恋のてんまつはいささか安易すぎる感もあるが、主人公をはじめ、元プロボクサーである父親、主人公と同じくアイデンティティーの揺らぎに悩む朝鮮民族学校時代の同級生たちなど、どの登場人物も、人物造形が確かで生き生きと描き出されている。本作で直木賞受賞作家となった著者は、自らを「在日韓国人」ではなく「コリアン・ジャパニーズ」と称しているが、呼称はどうあれ、「日本の内の他者」として培われたその鋭い視点が彼の創作活動にとって大きな武器となっていることは間違いなさそうだ。(梅村千恵)
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