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考える細胞ニューロン―脳と心をつくる柔らかい回路網 ( 桜井 芳雄 )

バリバリ現役の神経科学・実験心理学の専門家である著者が、機能的シナプス結合によりつながった特定のニューロン集団が特定の情報をプロセスするために次々と一時的に形成されていくという「セル・アセンブリ」理論を基に、複雑きわまりない脳と心の謎を解き明かして行きます。人間の脳は10の15乗箇所にもおよぶシナプス接続箇所を持つ超複雑な回路網なのですが、他方、人間の肉体の設計図である遺伝情報(ゲノム)を構成する塩基配列は10の9乗種類の組み合わせしかありません。それ故、遺伝情報だけから脳の回路網の全てを設計することは到底不可能です。つまり、遺伝情報は確かに脳の大枠の基本設計図ではあるが、脳は出生後にさらされる外部環境や多彩な経験により遺伝情報をかなりの範囲で超える可変性を備えていると言うことです。<P>文章は平易で読み易い上に、専門家の手になる書であるだけあって記述も正確を期しています。ただ一か所だけ推論の間違いではないかと思われる箇所があります。185ページで論じられているロンドンのタクシー運転手の海馬(記憶に関係する脳の一部)が一般人の平均よりも大きいという話の部分です。タクシー運転手は、広い空間内の詳細な情報を頻繁に記憶し処理しているので、その様な空間の記憶が海馬の発達を促した結果、海馬が一般人よりもよく発達したと、著者は考えます。しかし、これは必ずしもそうは言えないのでは無いかと思います。もしかしたら、もともと海馬が発達して空間記憶の優れた人がタクシー運転手に向いており、そうでない人はたとえタクシー運転手になったとしても自分は空間記憶が悪いと言うことに気付き、早々に運転手をやめてしまったからかもしれません。実際には、タクシー運転手になる前とタクシー運転手として熟練してからの海馬の大きさを比較するべきでしょう。<P>本書を読み終えて「脳は、状況に応じて変化を繰り返しながら次々と仕事をこなしていく、極めて柔軟でダイナミックは情報処理装置なのです」と言う著者の主張がしっかりと心に刻み込まれました。脳に興味のある人すべてにお勧めします。

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