大学病院が患者を死なせるとき―私が慶応大学医学部をやめない理由 みんなこんな本を読んできた 大学病院が患者を死なせるとき―私が慶応大学医学部をやめない理由
 
 
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大学病院が患者を死なせるとき―私が慶応大学医学部をやめない理由 ( 近藤 誠 )

 一気に読んだ。帰宅の途中、熱中しすぎて、降車駅を通り越してしまった。<BR> 「ブラックジャックによろしく・・」や「白い巨塔」で、医療界の不合理に興味を持った人が次に読むには最適と思われる。<P> 概して医療に関する書物はおもしろい。その理由を考えてみると、医療の世界の常識が、外から見ると非常識きわまりないため、それが興味をそそるのであろう。<BR> <P> 本書は一流大学医学部病院に講師として勤務する放射線科医が、みずからの取り組みを語ったものだ。「患者よ、がんと闘うな」を以前読んだときは、何となく怪しさを感じたものだが、本書からは、医療界の不合理に挑んで来た同氏の取り組みの原点が、アメリカのロスアラモス研究所での勤務体験にあり、日本に戻っての医療における不合理な体験が、医療界の改革への意識を突き動かしたことが読みとれる。<P> 患者を救うために、あるいは患者の尊厳を守るために研究を欠かさず、極めてまじめな活動に取り組んできたことが窺われ、それが日本の医療界の常識を変えてきたことが読みとれる。他の日本の医者がこのような研究や活動を行っていることを寡聞にして聴かないが、これはこういう情報発信をする医者がいないのか、それとも我々の情報収集能力がないせいなのだろうか。<BR> <P> 乳ガンにおける乳房温存治療なんかとっくに当たり前だと思っていたが、どうやらそれが常識になったのは極めて最近で、つい最近まで権威ある教授は切ることをどんどん薦めていたとのことで、それで乳房をなくした女性の無念はどれほどのものだろう。なお、食道ガンや膵臓ガンの場合には、手術するときつい手術になるので患者の負担が重いし、効く抗ガン剤もないのでそもそも処置なしかと思っていたが、放射線治療には一定の効果があるということを本書で初めて知った。告知の問題、死ぬ直前の蘇生術の話とかいろいろ勉強になる本だ。<BR> 日本は欧米に比べて抗ガン剤の専門家が少ないとも聞く。この分野でも近藤講師のような人材が輩出されることを望む。

近藤さんがなぜ現在のような考え方をするように<BR>なったのかが、彼の半生とともに綴られた本です。<BR>彼の、どのような状況が発生しようとも自分の信念をつらぬく<BR>姿勢が周りの医師を、スタッフを、社会を、<BR>そして誰よりも患者さんの心を揺り動かしたのだなと、<BR>深く感じ入りました。自分にとって不利な事柄についても<P>きちんと書いてあるので好感がもてました。<BR>他のレビュアーの方々が挙げている点の他にも、<BR>治療方針の決定の際、医学的なもの以外の要素が<BR>どれだけ大きい影響力を持つのか(医師側のしがらみ<BR>だけでなく、患者側のしがらみまでもが!)<BR>についての考察や、新しい治療法の導入<BR>や治療研究からの撤退における医師の心理的動きについての<P>考察などが非常に参考になりました。<BR>また、患者団体の意外な側面には驚きました。

私は、近藤誠医師の患者であります。乳がんであることがわかったとき、近藤医師の著書を読み漁り「乳房温存療法」をぜひ受けたいと思い、治療後2年経った今も半年に一度近藤医師の定期検診を受けていますので、近藤シンパと思われるかもしれません。でも、接すれば接するほど、彼が頑ななまでに主張するところの「再発したら治らない(ことが多いから)余計な治療(執拗なまでの抗がん剤等)はしない」「手術偏重への警告」「がん検診の無効性」等、正直「どうしてそこまで言い切れるのか」と思っていたことも確か。でもこれを読んでどうしてその主張に至ったかが理解できました。彼は研修医時代から毎日「死」を目の当たりにし、「死」を熟知している。かたやがんに罹り「死」に直面したはずの患者である!私は、まだ「死」に至る過程で起こる不幸な選択や出来事(抗がん剤の多用や民間療法への過度な期待、無用な手術への誘導)などに直面していないわけで、冷静に自分がどうなるのか、残りの時間をどう生きたいのか、考えているようで考えられなかったのだ。私はまだ「死」のディレッタント。まだ「死」の本当の怖さを知らないから、彼の主張を理解できなかったのだということをわからせてくれた本だ。

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