「金曜の夜に、暇な者同士で、新聞を読みながらのんびり過ごしたい」…そんな願望を叶えるために、多忙な毎日を過ごす６人の独身貴族、区議会議員の鷹也、鷹也の秘書・千歳、青年実業家の稀一、財閥の御曹司・拓海、日本舞踊宗家の御曹司・凛、暴力団組長の四男・京介が、それぞれ出資して古い洋館を購入する。週一度、まったり過ごす日々が続いていたある日、拓海が一人の若手ピアニストの自殺未遂の記事を見つける。将来を期待され、順調だったはずの彼に何が起こったのか。興味を抱いた彼らは、人脈を駆使し、事件の裏側を探り始める…。復讐願望を叶えるための豪快な手段も面白いが、鷹也と千歳、稀一と凛という二組のカップルの今後にも目が離せない。千歳に熱い恋情を寄せる鷹也、その思いに気づかず、ひたすら鷹也への恋を隠す千歳。愛し合いながら、擬似兄弟の関係を崩せない稀一と凛。そして、シーン毎にそれぞれの一人称も違った視点で各人の感情を垣間見ることができ、面白かった。続きが楽しみだ。