確かに３分の１ほどモノクロがあり、エルンスト・ルビッチのような効果は出てはいないといえよう。しかし、我々がすべてのカラーの写真を体験するのにはまだ早すぎる。そう、焦らなくてもよい。次の時代は突然に訪れるべきではないのだ。ゆっくりと。表紙を開く。そうすると沢山の小さなオフカットを目にすることが出来る。そのちいさなひとつひとつのそれらはその後の１ページすべてを使ったアップの写真に負けているものではない。だからといってそれが劣っているということでは全くない。なぜならそれを直視することができないのだから。まだそれを我々が「見つめる」には免疫が必要である。それらが小さなカット群であった。<P>　それから時間が経ち、やっとそれを直視できるようになった時、彼女を見!いたと思っていた自分が、実は、彼女に凝視されていることに気がつくことになる。二つの胸。二つの唇。そして、二つの目。私だけを今、見つめている、私だけを。この体験は、すべてのことが許され治癒してしまう。ある種の宗教的体験と等しい。<P>今、時代や、場所を越えて、「イコン」が現れた。それは、井上和香。

モデルは素晴らしいが、写真集の構成がどうかと思います。<BR>半分近くをモノクロのページが占めており、せっかくの井上和香さんの美貌と姿態が活かされていないなと感じました。<P>よりアーティスティックなものを目指したのかも知れないから、簡単に「これはダメ」と断じることはしませんが、私としては、もっと井上和香さんを「天然色」で見たかったという感想です。<BR>人にはお勧めできないです。