赤いほっぺとひざこぞうを持った「かおる」は、<BR>大きな木が欲しいなあ、とため息をつきます。<BR>大きな木があったら…と、夢はぐんぐん広がっていきます。<BR>りすやかけすが訪ねてきたり、ホットケーキを焼いたり。<BR>「わーい」と思わず声に出してしまう、とってもすてきな気分。<P>私が特にいいなあ、と思うのは、<BR>家族がやさしく寄り添っているところです。<P>お母さんとお父さんは、自分の子供の頃を思い出して、<BR>いいねえ、すきてきねえ、とかおると一緒になって夢を見ます。<BR>かおるは妹のかよちゃんにもとてもやさしい。<BR>家族がみんなやさしい目でお互いを見ている。<P>村上勉さんの絵は、そんな気持ちをどんどんふくらませます。<BR>人も動物も、考え深そうな黒目がちの目。<BR>あたたかい色使い!を見ていると、<P>ああ、そうそう、こういう気持ちわかるわー、と<BR>ほっぺがふくふくしますよ。