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現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来 ( 見田 宗介 )

マルクスよりアレントのほうが、近代批判としてはラディカルかもしれない。ドゥルーズよりフーコーのほうが、批判としてはラディカルだろう。<BR>マルクスとドゥルーズは、所与から新しいものを生み出そうとした思想家だといえるかもしれない。それがたとえ、近代の枠組みのなかに、あるいは「歴史」のなかにあるのだとしても。<P>しかし、だからこそマルクスの理論は近代にとって重要であったのだし、ドゥルーズの思想は、来るべき時代を生み出すことができるのだ。決して、マルクスよりアレントのほうが、ドゥルーズよりフーコーのほうが、思想としてすぐれているわけではない。批判力だけが思想の値打ちをはかる基準ではないだろう。<P>本書における見田の立ち位置は、ちょうどマルクスやドゥルーズとおなじだ。近代を貫く生産-消費原理をうけいれ、生産にたいする消費の優勢を確認したうえで、見田はさらに消費化を推し進めることを提案している。それが「いま・ここ」にある問題を解決するための、出発点なのだ。<P>そこには、近代の資本主義が抱えるいくつかの限界を見据えた明晰な構想力がある。じっさいに本書を手にとって、その内容と価値を各自で判断してほしい。<BR>本書は、私たちが歩き出すことのできる方向を指し示す、羅針盤になろうとしているのだから。

著者は現代社会=消費化/情報化社会、つまり「無限性の社会」として捕らえている。そして、この社会は、「限界の問題」、すなわち、環境問題と貧困問題の二つの不可避的な臨界面があるとしている。豊富な事例と理論を通して、かなりわかりやすく、そして的確に現代社会を捉えている書だと思う。<P>なるほど、確かに様々な事例や報告などからこれらの「現代社会」の限界や、今後の社会の展開を示している。また、今後の展開として著者は、情報化による付加価値による需要の増大(=消費社会の転回)によって、(資源の)限界の問題を回避しようとしている。しかし、彼の示す「大量採取→大量生産→大量消費→大量廃棄」という現代社会の構造を、「採取→生産→消費→採取=リサイクル」という構造に導いていくことも有効な問題解決の手段であると思う。<BR>資源の限界性をリサイクルの側面から、より考察することができるだろう。<P>現代社会について、自らが考えるきっかけになる良書である。

学問が専門特化を強めて社会への発信力を失うなかで、現代社会の根本的な問題に取り組んだ意欲的な著作。内容的には、著者が70年代に言っていた生産場面での疎外論を消費社会に置き換えて議論している。資本主義が作り出す消費の魅力を指摘する点は、常識をはずす非常に魅力的な論点。だが、物質の消費に頼らず精神的な満足を極限に高めることで、消費の魅力と環境の限界を両立させるという結論は、「モノからココロへ」というありふれたキャッチフレーズと何ら変わりない。その点で、解決策は解決策になっていないが、現代社会の構造を大づかみにとらえるには良書である。

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