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「いき」の構造 他二篇 ( 九鬼 周造 )

分かることの快感とは、この本を読んだときのようなことをいうのだろう。「いき」という意識現象はいったい何を意味するのか、それを構成する3つの要因に分解して明快に説明してしまう。さらに「上品」、「派手」などを含む趣味体系の中でどう位置づけられるかを、直六面体で示してしまう。感覚的に捉えていたことが、すっきりと言葉で説明されてしまうことの気持ち良さ。しかもその分析作業は論理的でありながら、テーマが何しろ異性との関係に関わる意識であることから、説明には色気が備わる。と思っていたら、多田道太郎の解説が本書のさらに上の視点から、そこに著者自身を取り巻く異性環境が反映されていることを説明してしまう。ここに至って本書は、「日本」を解析した哲学書の名著であると同時に、九鬼周造という哲学者自身の人間を語る書ともなった。

「『「いき」の構造』の方法そのものが「いき」である」と言い切った柄谷行人をはじめ、この本を近代/西洋の限界を超えられなかったと見る研究者は多いけれど、これこそ近代批評だと思います。あえて「いき」を六面体に表現するなんてことをやってのける勇気に感動すらします。江戸風俗をかいつまんで見ることもできるし、現代の「エロ」と比較してみたりしても面白い平易な本ですが、奥は深い。

 九鬼周造は「粋(いき)」の構造を正六面体で表現する。「渋み」「意気」「甘味」「野暮」「上品」「地味」「下品」「派手」という「粋」を構成する要素を六面体のそれぞれの角に据え、上面の中心点をP、下面の中心点をOとし、それぞれの要素の『分量』によって、「粋」のあり方も違ってくるという具合。「粋」という、はなはだ情緒的な有様を科学的な表現方法を用いて読者に示す、その態度は非常にユニークで面白い。なおかつ、このような杓子定規な分析の根拠となるのが、江戸時代の庶民文学や和歌なのだから、なおさら愉快である。<P> 

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「いき」の構造 他二篇
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